麻薬及び向精神薬取締法違反での通信傍受 その内容は? 薬物に強い弁護士

2018-06-24

麻薬及び向精神薬取締法違反での通信傍受 その内容は? 薬物に強い弁護士

東京都八王子市に住むAさんは,麻薬密売人と電話などでやり取りをし,密売人から頻繁に麻薬を購入していました。
別件の捜査の過程でその情報を掴んだ警視庁八王子警察署は,裁判官により発せられた傍受令状に基づいて,Aさんと麻薬密売人との間の電話の内容を傍受し,その結果を,Aさん及び麻薬密売人麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで逮捕することに繋げました。
(フィクションです)

~ 通信傍受法 ~ 

通信傍受法は,正式名称「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」といいます。

通信傍受法は,ある特定の重大犯罪に関しては,首謀者,密売人等の関与状況も含めた事案の全容を解明する必要性が高いところ,犯罪の謀議等を内容とする通信の傍受はその全容解明に資すると考えられたことから設けられた法律です。
平成12年8月15日から施行されています。

捜査機関は,通信の内容を当事者の了解なしに傍受することが可能です。
このように,通信傍受は,憲法21場2項後段で保障された「通信の秘密」や「プライバシー権の侵害を伴う捜査手段であることから,法律上は強制処分と位置づけられ,裁判官の発する傍受令状により行わなければなりません。
また,令状発布の要件は,通常の強制処分よりも厳格に規定されています。

通信傍受が行える犯罪も限定されています。
通信傍受の対象犯罪は,①薬物犯罪,②銃器犯罪,③集団密航,④組織的殺人,⑤殺傷犯関係の罪,⑥逮捕・監禁,略取・誘拐関係の罪,⑦窃盗・強盗,詐欺・恐喝関係の罪,⑧児童ポルノ関係の罪です。
なお,⑤から⑧の罪に関しては改正法によって追加された罪です(改正法は平成28年12月1日から施行)。

麻薬及び向精神薬取締法に関しては①に該当し,しかも,譲渡し,譲受けに関しては,傍受令状を取得するに当たり,数人の共謀によるものであると疑うに足りる状況があることを要しないとされており要件が緩和されています(通信傍受法3条2項)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所で,通信傍受をはじめとする薬物事件に関連する知識を豊富に持ち合わせた弁護士が多数在籍しています。
お困りの方は,まずはフリーダイヤル0120-631-881まで初回接見サービス等をお申し付けください。
警視庁八王子警察署までの初回接見費用:34,900円)