【事例解説】指定薬物を海外から持ち帰ってしまい逮捕(後編)

2024-09-05

指定薬物を海外から持ち帰ってしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

覚せい剤粉

【事例】

愛知県内に住む医師のAさんは、海外旅行に行った際、日本では違法ですが現地では合法な成分を含むグミを購入しました。Aさんは、海外滞在中にグミを全て食べきったと思っていましたが、数粒ほど残っており、誤って日本に持ち帰ってしまいました。
後日、深夜に警察から職務質問を受け所持品検査を受けた際に、当該グミが発見され、警察に押収鑑定されることになりました。鑑定の結果指定薬物が含まれていることが発覚し、Aさんは逮捕されることになりました。
(フィクションです)

【指定薬物を所持してしまっていたら】

禁止された用途を目的として指定薬物を所持してしまっていたら、前編で説明した薬機法に違反する可能性があります。 
所持が警察に発覚し逮捕されてしまうと、仕事に行くことができなくなる、失職するなど日常生活に大きな影響が出てしまいます
薬機法違反に当たり得る行為をしてしまった方は、今後の対応や逮捕の可能性を少しでも減らすために弁護士に相談して適切なアドバイスを貰うことをお勧めします。

【医師免許を持つ者に前科が付いてしまうと】

医師免許等について定める医師法(出典/e-GOV法令検索)の第7条1項3号および第4条3号は、「罰金以上の刑に処せられた者」について、厚生労働大臣が医師免許の取消しをすることができる旨を定めています。
これは「することができる」と定められていることから、罰金以上の前科が付いた場合でも、医師免許の取消しがなされない可能性もあります。
しかし、医師免許を失う可能性も否定できないため、できる限りの予防策を講ずるべきであるといえます。

【具体的な弁護活動】

今回の事例において、まずは、早期の身体解放を目指します。具体的には、逮捕後に勾留手続に進まないよう、逮捕後直ちに、弁護士が逮捕された者と面会して直接事件の内容を聴取することで、今後の事件の見通しを示し、取調べへの対応を検討します。
逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになります。そのため、もしも拘束された場合には、先述のように日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこでこれを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
以上のように、今後の対応や逮捕の可能性を少しでも減らすためにも、弁護士に相談して適切なアドバイスを貰うことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
薬機法違反の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
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