態様別―使用、施用、吸食

1 使用、吸食、施用の意義

(1)覚醒剤・覚醒剤原料

覚醒剤及び覚醒剤原料については、法定の除外事由にあたるもの以外の全ての使用を禁止しています。

「使用」とは、覚醒剤等を用法に従って用いる、すなわち「薬品」として消費する一切の行為をいいます。

自分に使用する場合に限らず、他人に使用する場合も含まれ、動物に用いる場合にも使用に当たります。

使用の方法は限定されていません。

覚醒剤取締法においては、「使用」が禁止され、「施用」は適法な覚醒剤利用行為をいいます。

 

(2)麻薬

麻薬及び向精神薬取締法では、覚醒剤と異なり、「使用」一般を禁止の対象としていません。

「使用」は麻薬研究者等の適法な麻薬利用行為を意味するものとして用いられています。

同法で禁止されているのは、「施用」と「受施用」です。

「施用」は、麻薬の利用行為のうち、自己又は他人の身体あるいは家畜に用いることをいいます。

麻薬の注射を受ける行為は、原則として「受施用」に当たりますが、これは、施用者において麻薬施用の認識のある場合であり、医師に偽りの病状を訴えて麻薬を注射される場合には、間接正犯の法理によって「施用」の罪が成立します。

 

(3)あへん

あへん法では、「吸食」が禁止されています。

「吸食」とは、あへん、けしがらをたばこのように喫煙すること、又はあへんの丸薬を飲み、けしがらを浸したものとして食べるなど経口摂取することを言います。

麻薬の施用や覚醒剤の使用と異なり、吸食という方法で自己に対して用いる場合に限られます。

つまり他人に対して用いる場合は禁止されていないことになります。

 

(4)大麻

大麻の使用は、一般には処罰の対象とされていません。

大麻取扱者が所持の目的以外の目的に大麻を使用した場合に処罰されるだけです。

 

(5)その他

シンナー等有機溶剤については、摂取や吸入が、危険ドラッグについては使用がそれぞれ禁止され処罰の対象とされています。

 

2 法定刑

①1年以上の有期懲役、情状により500万円以下の罰金を併科

・覚醒剤(営利)、ヘロイン(営利)

 

②1年以上10年以下の懲役、情状により300万円以下の罰金を併科

・コカイン(営利)、MDMA(営利)

 

③10年以下の懲役、情状により300万円以下の罰金を併科

・覚醒剤原料(営利)

 

④10年以下の懲役

・覚醒剤(非営利)、ヘロイン(非営利)

 

⑤7年以下の懲役

・覚醒剤原料(非営利)、コカイン(非営利)、MDMA(非営利)、あへん

 

⑥5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はこの併科

・危険ドラッグ(営利)

 

⑦3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこの併科

・危険ドラッグ(非営利)

 

⑧1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこの併科

・シンナー等有機溶剤

 

 

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