シンナーと危険ドラッグを解説

2019-02-10

シンナーと危険ドラッグを解説

最終回は,シンナー危険ドラッグについて解説します。

~シンナー~

シンナーは塗料を薄めるために使われる有機溶剤です。
トルエンや,酢酸エステル類,アルコールといった有機溶剤が利用されています。
シンナーに含まれる有機溶剤は中枢神経麻痺作用があり,蒸気を吸引することによって酒に酔ったときに似た状態になります。
長期にわたって吸引を続けると依存症になり,吸引常習者は意識障害,幻覚,妄想などの症状があらわれ,脳神経が冒されて中毒性精神病になっていきます。
シンナー中毒者のMRI画像を見ると,脳が委縮していることが多いようです。

日本においては青少年,特に10代前半~中盤にかけて「シンナー遊び」として吸引が流行し社会問題化しました。
これにはシンナーが塗料の薄め液として利用されるので比較的簡単に手に入ったという背景があります。
その為,毒物及び劇物取締法を一部改定し,シンナーに含まれる成分であるトルエン等を劇物と指定し,シンナーの吸引や吸引目的の所持を禁止し,違反者には罰則を科すことになりました。
シンナーの吸引などは1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金またはこれらの併科となっています。
無登録でのシンナー等の販売は3年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれらの併科,吸引目的と知りながら販売した場合は2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれらの併科となります。

~危険ドラッグ~

最後は薬機法での危険ドラッグの規制について解説します。
日本は薬機法で禁止する成分を指定するという方法をとっています。
覚せい剤取締法では2条で覚せい剤の指定を,麻薬や向精神薬も麻薬及び向精神薬取締法の別表で禁止する物質を指定して規制しています。
薬機法でも同様に規制する物質や物質群を指定し,それらを含むものは一般に「危険ドラッグ」と呼ばれます。
罰則は,危険ドラッグの輸入,製造,販売等は5年以下の懲役または500万円以下の罰金になります。
一般人が危険ドラッグを購入,使用,所持した場合には3年以下の懲役または300万円以下の罰金になります。

以上が日本における薬物関連の主要な取締法です。

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