新宿区の覚せい剤譲渡等事件で逮捕・起訴 未遂の事実を争う弁護活動

2018-01-09

新宿区の覚せい剤譲渡等事件で逮捕・起訴 未遂の事実を争う弁護活動

Aは、東京都新宿区覚せい剤を不法に所持・使用していた他、知人であるVに覚せい剤を譲渡そうとしたがこれを遂げなかったとして譲渡しの未遂罪などの覚せい剤取締法違反の疑いで警視庁牛込警察署逮捕された。
取調べでは、Aは所持等の事実については認めたものの、譲渡しについては、Vとの間では覚せい剤売買の契約は成立したが、渡す前に逮捕されてしまったし、そもそもVに渡す準備すらしていなかったと、その事実を争っていた。
Aは、その後同法違反の罪で起訴されることになったので、自身が選任した刑事事件を得意とする弁護人に対し、譲渡の未遂罪の事実を争う旨の弁護活動をお願いすることにした。
(フィクションです。)

覚せい剤取締法は覚せい剤譲渡について、未遂罪も処罰の対象にしています。
覚せい剤譲渡の未遂罪は、行為者が譲受罪の実行に着手し、譲渡罪が完成するに至ってないことを要件に成立します。
この実行の着手があったといえるためには、覚せい剤の処分権の付与に伴う所持の移転に密接した準備行為があれば足りると一般的に言われています。
たとえば、覚せい剤譲受に関する合意が成立し、その代金の授受があったというだけでは足りないが、覚せい剤を購入後、これを他と区別して受け取りに来るのを待っていたりした場合には、実行の着手があるとして未遂罪の成立を認めた裁判例があります。

今回のAは、覚せい剤の所持等については認めていますが、譲渡については、契約が成立したのみで未だ覚せい剤を渡してはいないとして、事実を争っています。
刑事裁判で事実を争う場合、捜査機関に収集証拠の開示を求めたり、あるいは弁護人が独自に証拠を収集するなどして証拠を吟味していく活動が考えられます。
こうした専門性が高く要求される刑事弁護については、刑事事件を専門とする弁護士にご相談されることをお勧めします。
なお、過去には、前科無しの被告人が、覚せい剤の有償譲渡・所持等の覚せい剤取締法違反事件を起こした場合で、求刑懲役2年及び追徴2万5,000円、量刑懲役2年及び追徴2万5,000円、執行猶予3年の事例があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士刑事事件専門の弁護士であり、覚せい剤などの薬物事犯についての刑事弁護活動も多数承っております。
覚せい剤等の刑事弁護についてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
警視庁牛込警察署への初回接見費用:3万5,200円