刑を軽くしてほしい
1 量刑判断の方法
大まかにいうと、犯情事実(簡単に言うと「犯罪の悪質性」です)により量刑の大枠を決定し、その大枠の中で一般情状事実(犯情以外の事実のことをいいます)を、刑を微調整させる要素として被告人に有利ないし不利に考慮して、最終的に決定されます。
2 薬物犯罪事件の量刑判断基準
(1)初犯かどうか
薬物犯罪は再犯率の非常に高い犯罪です。
初犯かどうかというのは非常に大きな判断基準になります。
例えば、覚醒剤使用の初犯者であれば、執行猶予付き判決が出る可能性が高いです。
逆に再犯者の場合には執行猶予付き判決が出にくくなります。
(2)使用量・所持量・使用期間
違法薬物をどれくらい使用したのか、どれくらいの量を所持していたのか、どれくらいの期間使用したのかも判断基準になります。
もっとも、所持が少量であったとしても、それのみで不起訴になる可能性は限りなく低いです。
刑事裁判で裁判官が刑を決めるにあたって考慮されることになります。
(3)薬物の依存度
薬物にどれくらい依存しているのか、常習性があるかという観点から判断基準となります。
薬物に対する依存度が高い場合には、後に述べる再犯の可能性と重複しますが、再び薬物犯罪をしてしまう可能性が高いと判断され、薬の影響を抜くために刑が長期になる可能性があります。
また、依存度が高いと常習性があると判断され、重い刑が科される可能性があります。
(4)営利目的があったか
営利目的があった場合、例え本人が薬物を使用していなくても、初犯であっても執行猶予の付かない実刑判決が出る可能性が非常に高くなります。
営利目的がある場合、所持している量が多いということも刑を重くしている要因といえますが、0.619グラムの覚醒剤を営利目的で譲渡した事案では、自己使用も若干量含まれていましたが、前科がないにも関わらず、2年6月と罰金30万円の併科の判決が出されています(量刑調査報告集Ⅳ)。
(5)再犯の可能性はあるか
再犯率の非常に高い薬物犯罪は、本人に再犯の可能性が高いのかどうかも重要な判断基準になりなす。
再犯のおそれがある人物は刑期が長くなり、長期間をかけて更生させる必要があると判断されるのです。
3 刑を軽くするための弁護活動
薬物犯罪の成立に争いのない場合には、業務性が希薄であること、薬物への依存性又は常習性がないこと、再犯の危険がないこと、共犯者間で従属的な立場であったことなどを裁判官に理解してもらい、量刑を軽減するような弁護活動を行います。
ご家族や周囲の方の理解と協力を得ながら、薬物関係者との接触を断つ、専門の医療機関で治療を受けるなど、薬物犯罪に手を染めないための具体的方策の実施と環境作りが減刑及び執行猶予付き判決を獲得するうえで重要です。
また、実際に薬物犯罪事件を起こした場合でも、職務質問、所持品検査、採尿・採血、捜索・差押え、逮捕、取調べなどの捜査の過程で重大な違法行為があれば、証拠が違法に収集されたものであることを主張して、不起訴処分又は無罪判決に向けた弁護活動を行います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、多数の薬物犯罪事件を手がけており、薬物犯罪についての適切な弁護活動を提供しています。
刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。
被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。