【報道解説】麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで逮捕された事件
大麻の取引をSNSで呼びかけたことで麻薬特例法違反の疑いで警察に逮捕された報道について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
報道紹介
京都府警組対3課と東山署は24日、麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで、大津市の会社員(23)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年4月19日、ツイッターに大麻を意味する隠語「ブロッコリー」の絵文字や、取引を表す「手押し」などの単語を使った上、「配達いけます!」などと書き込み、大麻の販売を広く呼びかけた疑い。「自分でツイート(投稿)した」などと容疑を認めているという。
(2023年1月24日に京都新聞で報道されたニュースhttps://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/960807より一部引用)
麻薬特例法違反(あおり、唆し)とは
麻薬特例法とは、正式には「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」という名称で、麻薬、向精神薬、大麻、覚醒剤、あへんといった「規制薬物」に関する法律です。
この麻薬特例法9条では、薬物犯罪の実行や規制薬物を濫用することを、公然したり、あおったり、唆(そそのか)したりした人に対して、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科すと規定しています。
大麻などの規制薬物を取引をSNSで広く呼びかける行為は、薬物犯罪である各種の規制薬物を譲り受ける者を広く募っている行為ですので、薬物犯罪の実行をあおっているか、または唆しているものとして麻薬特例法9条に違反する可能性があります。
また、報道のように、SNS上で規制薬物の名称を具体的に用いていなくても規制薬物だとわかる隠語を用いて取引を呼びかけた場合にも麻薬特例法9条違反になると考えられます。
規制薬物の隠語として、例えば、大麻は取り上げた報道のように「ブロッコリー」という隠語が用いられたり、覚醒剤は「氷、アイス」、コカインは「チャーリー」といった隠語が使用されることがあります。
ご家族が麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで警察に逮捕されたら
突然、警察が自宅に来てご家族様を逮捕していったという場合は、逮捕されたご本人様はもちろんのこと、残されたご家族様も、いったいどうして逮捕されたのか、現在どのような状況なのかということが分からずにご不安になることかと思います。
この場合、ご家族様が警察に状況の説明を求めても警察からは詳細な説明を受けることはあまり期待できませんので、ご家族が麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで警察に逮捕されたら、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらい、事件の見通しや現在の状況、今後の手続きの流れなどについてアドバイスを貰われることをお勧めします。