LSDを所持・施用し逮捕

2019-11-27

LSDを所持・施用し逮捕

今回は、違法薬物であるLSDを所持し、施用した場合に成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

東京都あきる野市に住むAさんは、自宅にLSDを保管しており、気晴らしに施用するなどしていました。
そのことを知った麻薬取締官は、Aさんを内偵し、捜索差押許可状の発付を受けられ次第、Aさんの自宅を捜索することにしていました。
そして、麻薬取締官が内偵捜査を重ねた結果、裁判官から捜索差押許可状の発付を受けられたので、Aさんの自宅を捜索しました。
捜索の結果、Aさんの机の引き出しからLSD様の錠剤10錠が押収され、検査によりLSDであることが確認されました。、
これにより、Aさんは麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで警視庁五日市警察署現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~LSDの所持・施用により犯罪~

(所持罪)
Aさんは、LSD所持の疑いで現行犯逮捕されています。
LSDは、麻薬及び向精神薬取締法とその関連法令である麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令により、麻薬とされています。

麻薬及び向精神薬取締法第66条1項は、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持」する行為を禁止しています。
ジアセチルモルヒネ等とは、一般に「ヘロイン」のことを意味します。
LSDは、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」に該当します。

「所持」とは、「事実上の実力支配関係」をいい、自宅の机の引き出しの中にLSDを保管する行為は、当然ながら「所持」に該当すると考えられます。
また、LSDを所有する意思、また、その所有権を有しているか否かは問題とならず、人から預かってLSDを保管している場合であっても、「所持」に該当します。

LSDの所持については、7年以下の懲役と定められています。

(施用罪)
また、LSDを「施用」する行為についても処罰されます。
「施用」とは、「麻薬を注射、経口、粘膜への塗布、鼻腔からの吸入等の方法によって、自己又は他人の身体に用いること」をいいます。
AさんがLSDの錠剤を経口で服用することは、上記の「施用」に該当します。

麻薬及び向精神薬取締法第27条1項柱書は、「麻薬施用者でなければ、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方せんを交付してはならない」としており、同法第66条の2第1項は、27条1項違反行為につき、7年以下の懲役を予定しています。

AさんはLSDの「所持」により逮捕されていますが、その間に、尿検査などをされて、「施用」の有無についても調べられる可能性があるでしょう。

~今後の捜査~

逮捕され、勾留されると、最長23日間も身体拘束をされます。
あらゆる犯罪について、23日間逮捕勾留されるわけではなく、犯罪の種類、事情によっては、勾留がつかず、あるいは、勾留されても満期より前に釈放される場合があります。

しかし、麻薬及び向精神薬取締法違反行為をはじめとする薬物犯罪においては、勾留が長引きがちな傾向があり、また、起訴されやすくもあります。
そして、起訴されると自動的に起訴後勾留に移行し、さらに身体拘束が長引きます。
通常、保釈が実現できるまでは留置場や拘置所に収容されたままになります。

また、Aさんには麻薬の「所持」に加えて麻薬の「施用」の件で、嫌疑が追加され、再逮捕される可能性も否定できません。
この場合は、前述したよりも、さらに身体拘束が長引くことになります。

~弁護士に再逮捕阻止、保釈の実現を依頼~

身体拘束が長引くと、Aさんにも大きな負担がかかり、また、社会復帰も困難になります。
再逮捕がなされないように、弁護士に働きかけてもらい、さらに起訴後、保釈をなるべく早く実現できるよう活動してもらう必要があります。

取調べにおいては、黙秘権が保障されており、終始黙ったままでいることができます。
しかし、これにより捜査が遅延すると、その分身体拘束期間が延びていくことになります。
弁護士とよく相談した上で正直に供述することも、身体拘束期間をより短くする、という観点からは、賢明な対応方法である場合もあります。

まずは、弁護士と相談し、より早期の身柄解放を実現できるようアドバイスを受けましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族がLSD所持の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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