【覚せい剤取締法違件に強い弁護士】逮捕状提示なしの逮捕?違法捜査はすぐ相談

2017-12-29

【覚せい剤取締法違件に強い弁護士】逮捕状提示なしの逮捕?違法捜査はすぐ相談

大阪府西淀川警察署の警察官Aは、Vさんに窃盗容疑で任意同行を求めたが拒否された。
Aは逮捕状を携行しておらず、かつVさんに被疑事実の要旨を告げることなくVさんを逮捕し、大阪府西淀川警察署へ連行した後、逮捕状をVさんに提示した。
逮捕当日、Vさんは任意の尿検査に応じ、尿鑑定の結果、覚せい剤成分が検出された。
その後、尿鑑定の結果をもとに覚せい剤取締法違反の被疑事実について捜索差押許可状が発布され、すでに発布されていた窃盗被疑事実についての捜索差押令状と併せて、Vさん宅の家宅捜索が行われた結果、覚せい剤が発見された。
Vさんは、覚せい剤自己使用と所持及び窃盗の疑いで起訴された。
(最判平15.2.14参照のフィクションです)

~違法捜査はどこまで影響するのか~

今回の事例において、判例は、警察官Aの逮捕手続きの違法の程度は重大であるため(実際にはAが捜査報告書に逮捕の際逮捕状を提示したと虚偽の内容を書いたり、公判においても虚偽の証言をしたことも考慮されています)、違法な逮捕に密接に関連する証拠は証拠として認められないとし、Vさんの尿の鑑定書は証拠として認定しないとしました。
このような場合、捜索差押許可状を発布する理由となった尿の鑑定書が証拠として認められない場合、同許可状に基づいて行われた捜索で押収された覚せい剤が、証拠として認められるかが問題となります。

この点、判例においては、尿の鑑定書と捜索差押によって差押えられた覚せい剤との関連性は認めたものの、今回の覚せい剤の差押えは、
覚せい剤を被疑事実とした捜索差押許可状は、司法審査を経て発布されたものであること
②逮捕前に発布されていた、窃盗を被疑事実とした捜索差押許可状と併せて行われた差押えであること
を理由とし、尿の鑑定書と覚せい剤の差押えの関連性は密接なものではないとし、差し押さえられた覚せい剤を証拠として認定しました。
その結果、覚せい剤使用については証拠不十分で無罪となりましたが、覚せい剤所持については有罪となりました。

このように、違法捜査により発覚した犯罪であっても、犯罪行為すべてが無罪になることは難しいといえるのかもしれません。
しかし、違法捜査があればそれをきちんと主張することが、冤罪を防いだり不当な刑罰を避ける為には重要であり、そのために弁護士の果たす役割は大きいです。
覚せい剤取締法違反事件違法捜査でお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。
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