覚せい剤使用事件で裁判 違法収集証拠排除法則による無罪の主張は刑事弁護士

2018-02-13

覚せい剤使用事件で裁判 違法収集証拠排除法則による無罪の主張は刑事弁護士

Aは、東京都文京区覚せい剤使用の疑いがあるとして、警察官により警視庁駒込警察署に同行を求められた。
Aは警察署で採尿を受け、この尿について鑑定したところ、覚せい剤成分が検出されたことから、Aは覚せい剤使用(覚せい剤取締法違反)の容疑で逮捕された。
その後Aは起訴されたが、警察による捜査は違法であるとして無罪を主張している。
(本件はフィクションです。)

本件のような裁判(公判)段階において、弁護士が被告人のためにする弁護活動としては、異議申立て(刑訴法309条1項)による証拠排除の主張があります。
このような証拠排除の排除原因としては、違法収集証拠排除法則を主張することが考えられます。
違法収集証拠排除法則とは、憲法31条の適正手続の要請や捜査機関の将来の違法捜査抑止の観点から、捜査機関の証拠収集手続に、令状主義(憲法35条)の精神に反するような重大な違法があり、それが将来の違法捜査抑止の見地が相当でないと認められる場合に、証拠能力を否定するという法則です。

そして、違法収集証拠排除法則により証拠能力が否定される可能性のある場合としては、捜査機関による証拠の収集手続が違法である場合の証拠物が挙げられます。
特に実務上、この証拠物には、薬物それも特に覚せい剤事件におけるものが多いことが知られています(この点に関する最高裁判例として最判平成15年2月14日があります。)。

もっとも、裁判において証拠物の証拠能力の否定を主張し得るケースでも、捜査機関による証拠の収集手続の違法と、それによって獲得された証拠物の証拠価値とは必ずしも相関するものではありません。
つまり、仮に捜査機関の証拠収集手続に違法があったとしても、証拠物の証拠価値が高くなければ、検察官による被告人の有罪の主張を否定するものになるとは限らないということです。
したがって、覚せい剤使用事件の裁判において、違法収集排証拠除法則によって無罪を主張すべきかどうかについては、証拠物の証拠価値の吟味も含めて弁護士による専門知識による慎重な検討が不可欠なのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件の専門家である弁護士が所属する刑事事件専門の法律事務所です。
覚せい剤使用事件で逮捕や起訴等された方のご家族は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
無罪の主張も含め弁護士が専門知識を活かした弁護活動を承ります。
警視庁駒込警察署までの初回接見費用:36,100円