【報道解説】HHCHを含む液体などを所持して逮捕された事例

2024-03-15

大麻由来の成分に似せた化学成分を含む液体などを所持して逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大麻オイル

・事例

友人同士であるAさんとBさんは、深夜、コンビニの駐車場でパトロール中の警察官に声をかけられた際、指定薬物のHHCHを含む液体大麻草を所持していたことで逮捕されました。
HHCHは大麻由来の成分に似せた合成化合物で、去年にHHCHが入ったグミを食べた人が体調不良を訴えて搬送されたことから、所持などが禁止されていました。
(参照事例 https://www.nagoyatv.com/news/?id=023188)

・指定薬物とは

指定薬物に関しては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に定められています。この法律は略称を「薬機法」や「医薬品医療機器法」と呼ばれています(出典:e-GOV法令検索)
「指定薬物」は、薬機法2条15項で、「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物」とされています。
またその認定については厚生労働省が「医療等の用途を定める省令(平成19年厚生労働省令第14号)」(薬機法76条の4)で物質名を定めています。
指定薬物に認定される物は年々増加し、また似た化学構造をとる物質が包括的に指定されることもあるため、購入当時は合法であっても、のちに違法となることもあるため注意が必要です。
(出典;厚生労働省HPhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/scheduled-drug/index.html)

・指定薬物を所持すると何罪に?

薬機法76条の4は、「指定薬物に該当する物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途以外の用途に供するための製造、輸入、販売、授与、所持、購入又は販売若しくは授与の目的での貯蔵、若しくは陳列」を禁止する旨を定めています。
これに違反して所持していた場合の刑罰は、薬機法84条28項に定められており、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科する」と規定されています。

・指定薬物を所持してしまっていたら

禁止された用途を目的として指定薬物を所持してしまっていたら、上記で説明した薬機法に違反する可能性があります。 
所持が警察に発覚し逮捕されてしまうと、学生の方であれば学校に、社会人の方であれば仕事に行くことができなくなり、最悪の場合、退学処分や懲戒免職処分が科されるなど、日常生活に大きな影響が出てしまいます。
薬機法違反に当たり得る行為をしてしまった方は、今後の対応や逮捕の可能性を少しでも減らすために弁護士に相談して適切なアドバイスを貰うことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
薬機法違反の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。