岐阜県の薬物事件で所持品検査 違法捜査には弁護士に相談

2018-03-10

岐阜県の薬物事件で所持品検査 違法捜査には弁護士に相談

岐阜県恵那市在住の20代男性のAさんは、ある日、夜道を歩いていた際に、巡回中の岐阜県恵那警察署の警察官に声をかけられました。
どうやら、警察に「恵那市の周辺住宅地で薬物の売買をしている人がいる」との通報が入ったため、警察官が周辺を巡回していたようです。
Aさんのカバンの中にはには、知人から購入した覚せい剤が入っていました。
警察官が所持品検査を求めてきたため、Aさんは断って、その場を去ろうとしましたが、警察官に阻まれたうえに、無理矢理カバンを奪われ、中を探られた結果、覚せい剤が見つかってしまい、Aさんは覚せい剤所持の現行犯で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~所持品検査の違法性~

通常、所持品検査をするためには、捜索差押令状が必要です。
しかし、防犯、交通取り締まりなどを警察官が行う過程で、現行犯や他の犯罪の証拠を発見することがあります。
その場合に、裁判所から捜索差押令状が発布されるのを待っていると、証拠を確認できず、犯人確保や後の犯人の処罰ができなくなるおそれがあります。
そのために法律や解釈で、職務質問とそれに付随する行為である所持品検査ができる場合があるとされています。

しかし、どのような所持品検査も許されるというわけではありません。
所持品検査は、任意手段である職務質問の附随行為として許容されるので、所持人の承諾を得て、その限度において行われるのが原則です。
所持人の承諾のない場合でも、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、所持品検査においても許容される場合があるとされています。
ただ、今回の上記の例のAさんのように、本人の承諾もないまま、カバンを無理やり奪い取り、中を探られるような行為は、所持品検査ではなく捜索差押令状が必要な範囲の捜査と考えられますので、警察官の違法な捜査であると認められる可能性があります。
判例においても、「覚せい剤所持の容疑がかなり濃厚な者を職務質問中、承諾がないままその上着の内ポケットに手を差し入れて所持品を取り出したうえ、検査した行為は違法である」と判断されています(最判昭53年9月7日)。

こうした違法な所持品検査によって収集された証拠は、裁判において違法収集証拠として、その証拠能力が排除される可能性が出てくることとなります。
警察による所持品検査や取調べにおいて感じた不安は、弁護士に相談することをおすすめ致します。
もし違法捜査であった場合には、弁護士からきちんと主張してもらいましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件などの刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が薬物事件逮捕されてお困りの方、警察による違法な捜査があったのではないかとご心配な方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
岐阜県恵那警察署への初回接見費用:44,860円