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薬機法違反(危険ドラッグ所持)で即決裁判

2020-10-22

薬機法違反(危険ドラッグ所持)で即決裁判

兵庫県神戸市兵庫区に住むAさんは、ライブ会場で知人から「体に効くから。」などと言われてピンク色の錠剤を勧められました。Aさんは、このところ仕事が多忙で疲れていたため、体に効くならと思い知人から譲り受け、それをズボンの右ポケットの中に入れました。ところが、Aさんは自宅へ帰宅途中、兵庫県兵庫警察署の警察官の職務質問に遭いました。Aさんは、警察官からポケットの中身を全て出すよう求められましたが、ズボンの右ポケットに錠剤を入れており、これが「何か怪しい薬だ」と思っていたことから警察官の要求を断りましたが、説得の末、警察官に錠剤を提出しました。検査の結果、錠剤が薬機法の「指定薬物」に該当する危険ドラッグであることが判明し、Aさんは薬機法の指定薬物所持罪現行犯逮捕されてしまいました。その後、Aさんは勾留され、検察官から即決裁判を受けるための書類にサインを求められました。
(フィクションです)

~ 薬機法とは ~

薬機法とは、正式名称、

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性確保等に関する法律

といい、かつての薬事法から改名された法律です。

薬機法2条15項(一部省略)では

中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻、覚醒剤、麻薬、向精神薬、あへん、けしがらを除く)

を「指定薬物」とし(一般的には「危険ドラッグ」「脱法ドラッグ」などと言われているもの)、

医療等の用途以外の用途に供するための
・製造
・輸入
・販売
・授与
・所持
・購入
・譲り受け

又は
医療等の用途以外の
・用途の使用

を禁止しています(薬機法76条の4)。

~ 罰則 ~

上記の禁止行為については2種類の罰則が設けられています。

まず、①業として指定薬物を製造、輸入、販売、授与した、又は②指定薬物を所持した(販売又は授与の目的で貯蔵し、又は陳列した場合に限る)場合

5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又は併科

③単に製造、輸入、販売、授与、購入、譲り受けた場合

3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科

とされています。

~ 即決裁判 ~

即決裁判とは、①死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件を除く事件(簡単に言えばさほど重大でない事件)について、②事案が明白かつ軽微であって、③証拠調べが速やかに終わるなどの事情があるときに、原則、1回の審理で判決の言い渡しまで行う裁判手続をいいます。

即決裁判を受けるメリットとしては、

1 審理は申立て後、原則、14日以内に開かれ1回で終わること
2 必ず執行猶予判決を言い渡されること(実刑判決は言い渡されない)
3 1、2に関連し、審理当日(判決当日)に釈放され、早期の社会復帰が可能となること

などが挙げられます。

他方,デメリットとしては
1 必ず有罪判決が言い渡されること
2 量刑不当を理由に控訴できるが、事実誤認を理由とする控訴はできないこと

などが挙げられます。

~ 薬機法と即決裁判 ~

即決裁判

死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件

については対象から除かれるということでした。この点、上記でご紹介した罪、罰則を見ると、

短期1年以上の懲役

には当たらず、上記でご紹介した薬機法の罪に関しては、少なくとも即決裁判対象事件には当たります(ただし、事案が明白かつ軽微であって、証拠調べが速やかに終わるなどの事情がある、との要件はまた別個に判断されます)。

~ 即決裁判をするには同意が必要 ~

即決裁判を希望する場合は、その旨の同意をする必要があります(刑事訴訟法350条の16第2項)。検察官から同意書にサインを求められますので、書かれてあること、説明を受けたことに納得してからサインしましょう。また、同意は後で撤回することも可能です(刑事訴訟法350条の22条第1号等)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件少年事件でお悩みの方は,まずは,0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談初回接見サービスの受け付けを行っております。

麻薬で逮捕

2020-10-15

横浜市内の麻薬事件について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務所の弁護士が解説します。

【事件】

若いころから覚せい剤の密売で生計を立てているAさんは、知人を通じて、ヨーロッパから100キロ単位の覚せい剤の密輸を企てました。
ヨーロッパの密売人が、重機の輸入品に覚せい剤を隠して日本に輸入しようとしたのですが、この取引を察知した、麻薬取締局と、神奈川県警察本部薬物対策課によって、重機に隠されて輸入された覚せい剤が、覚せい剤を模した結晶に入れ替えられたのです。
その事実を知らないAさんは、重機が搬入された倉庫に覚せい剤を取りに行き、そこで捜査当局によって逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

【麻薬特例法】

「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」を省略して「麻薬特例法」といいます。
麻薬特例法は、平成4年に施行された法律で、薬物犯罪による薬物犯罪収益等のはく奪、規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図ることなどを目的にしています。

麻薬特例法で規制されている薬物は、麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤です。
麻薬特例法でいう「薬物犯罪」とは、覚せい剤に限った場合、覚せい剤の輸出入、製造の罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、所持、譲渡し及び譲受けの罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、譲渡しと譲受け(営利目的を含む)の周旋の罪です。

【薬物等の譲り受け等】

規制薬物としての薬物等の譲り受け等の罪に関しては麻薬特例法第8条第2項に規定があります。
ここでは、薬物犯罪(規制薬物の譲渡し、譲受け又は所持に係るものに限る)を犯す意思をもって、薬物その他の物品を規制薬物として譲り渡し、若しくは譲り受け、又は規制薬物として交付を受け、若しくは取得した薬物その他の物品を所持した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する旨が明記されています。
ここでの「薬物」とは、規制薬物でないことが明らかである薬物のほか、規制薬物であるか否かの証明が十分でない薬物を含みます。
つまり、譲り受けなどした物が覚せい剤などの現物(薬物)でなくても、本罪による逮捕、処罰が可能になるのです。
この規定は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長する行為を防止するために設けられています。
つまり、規制薬物として譲り受けする行為は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長し、社会に害悪を及ぼす行為と考えられているのです。
覚せい剤取締法の譲り受け事件は、覚せい剤そのものが存在しなければ立件することが困難ですが、麻薬特例法ではその必要はありません。
ただ、現物が覚せい剤等の薬物ではないことから、本罪の法定刑は覚せい剤取締法よりもかなり軽くなっています。

【執行猶予を目指して】

麻薬所持を含む薬物事犯は、基本的に不起訴で終わるということがあまり期待できません。
ですので、もし事件が発覚すれば、よほどのことがない限り起訴されて裁判に至ると考えて構いません。
逮捕および勾留による身体拘束の可能性も高くなっています。

上記の点と罰則の重さを踏まえると、麻薬所持事件において第一に目指すべきは執行猶予の獲得だと考えられます。
執行猶予が獲得できれば、裁判が確定してから直ちに刑務所に収容されるという事態を回避できます。
そのため、裁判が終わってから社会復帰をすることが可能となっています。
更に、執行猶予期間中に罪を犯すなどして執行猶予が取り消されなければ、期間の満了をもって刑を免れることができます。
有罪となって刑を言い渡された事実が消えるわけではありませんが、もはや刑の執行を憂う必要がない点は有益です。

執行猶予を獲得するうえで重要なのは、裁判で更生の意思をきちんと示し、目指すべき将来があることを裁判官に訴えることです。
そのためには相応の労力を費やすことが必要であり、闇雲に行うのは賢明ではありません。
少しでも執行猶予の可能性を高めるのであれば、ぜひ法律の専門家である弁護士に相談しましょう。
もし事件を依頼すれば、執行猶予獲得に向けた手厚いサポートが受けられるはずです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、執行猶予の獲得に向けて手を尽くします。
ご家族などが麻薬事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

覚醒剤使用事件で逮捕

2020-10-08

覚醒剤使用事件について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務所の弁護士が解説します。

【事例】

さいたま市でタクシー運転手をしているAさんは、3年前に覚醒剤使用事件を起こして有罪判決を受けており、つい先日、執行猶予期間が終わったばかりです。
年末年始で忙しくて寝不足が続いたAさんは、仕事中の居眠り運転を防止するために覚醒剤を再び使用していました。
1週間ほど前に、Aさんは小樽市内の路上に立っている覚醒剤の密売人から1万円分の覚醒剤を購入し、それを3回に分けて使用しました。
最後に使用したのは昨日の夜です。
仕事前に、自宅において、水に溶かした覚醒剤を注射器で血管に射って使用したのですが、その後、仕事中に交通事故を起こしてしまいました。
Aさんは事故現場に駆け付けた埼玉県大宮西警察署の警察官に任意採尿を求められましたが、これを拒否しました。
(フィクションです)

【覚醒剤使用の罪について】

覚醒剤は、心身に様々な悪影響を及ぼすと共に依存性を有することから、覚醒剤取締法によって規制が行われています。
日本において規制されている薬物は多種多様ですが、中でも覚醒剤は特に危険性が高いと考えられています。
諸外国の状況も見てみると、大麻の規制が緩やかな国においても規制されていたり、最高刑を死刑や無期懲役とする国もあったりと、やはり危険視されているようです。

覚醒剤の使用については、以下のような規定が置かれています。

覚醒剤取締法(一部抜粋)
第十九条 左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
一 覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
二 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
三 覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
四 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
五 法令に基いてする行為につき使用する場合

第四十一条の三 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。
一 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者

覚醒剤の摂取の態様は、注射器での注入、加熱による吸引、液体の服用など様々です。
これらはいずれも覚醒剤の使用に当たると考えられ、10年以下の懲役が科されるおそれがあるでしょう。

【採尿】

覚醒剤の使用は、尿から覚醒剤成分が検出されるか否かによって判断されます。
その検査を尿鑑定といいますが、その前段の手続きとして採尿があります。
採尿には、任意採尿と強制採尿があるのですが、被採尿者が警察官等の指示に従った自ら自然排尿した尿を警察等の捜査機関に任意提出することを「任意採尿」といい、任意採尿を拒否した被採尿者から強制的に尿を採ることを「強制採尿」といいます。
任意採尿で採取された尿と、強制採尿で採取された尿に証拠能力の差異はありません。

警察官等の捜査員が被採尿者から強制採尿するには、裁判官の発した捜索差押許可状(以下「令状」とする。)が必要です。
令状は、警察官等の捜査員が、疎明資料を作成した上で裁判官に対して請求します。
疎明資料には、被採尿者が任意採尿に応じない旨と、被採尿者が覚醒剤を使用している蓋然性がある旨が記載されているのですが、警察等の捜査機関は「任意採尿を拒否するということは覚醒剤をしようしているのだろう」と考えており、人が住んでいる居宅や、人が管理している建物等に対する捜索差押を許可する令状に比べると、強制採尿の令状は比較的発付されやすい傾向にあり、裁判官が強制採尿の令状を発付しないことは滅多にありません。
強制採尿は、病院の医師によって、尿道にカテーテルを通して膀胱から直接的に尿を採取する方法で行われます。
令状の効力で、強制採尿を行う病院まで被採尿者を強制的に連行することが許されているので、病院以外の場所で強制採尿の令状を示されて執行されると、警察官等の捜査員によって強制的に病院まで連行されるので注意しなければなりません。

【尿鑑定】

尿鑑定は、警察官等が行う簡易鑑定と、科学捜査研究所の職員が行う本鑑定の2種類があります。
「インスタントビュー」という専用の薬物検査キットを使用する鑑定と、警察署に設置されている「ガスクロマトグラフィー 」という大型機械を使用する鑑定の2種類の簡易鑑定を採用しています。
採尿した方全てに簡易鑑定が実施されるわけではなく、被採尿者が覚醒剤を使用している可能性が高い場合や、本鑑定の鑑定結果を待っていては、被採尿者が逃走して、その後の逮捕が困難になることが予想される場合(緊急性がある場合)などは簡易鑑定が実施される傾向にあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、知識と経験を結集して最適な弁護活動を展開します。
ご家族などが覚醒剤使用の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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大麻所持で執行猶予

2020-10-01

大麻所持における執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

【事例】

千葉市に住むAさんは、大麻を摂取しているという友人の話を聞いて自身も興味が湧き、いざとなればすぐやめられるだろうと思って大麻を摂取し始めました。
しかし、やがてAさんは大麻に魅了され、自宅で大麻を摂取しながら他の薬物にも手を出してみたいと思うようになりました。
その矢先、Aさん宅を千葉南警察署の警察官が訪ね、Aさんを大麻取締法違反(大麻所持)の疑いで逮捕しました。
Aさんと接見した弁護士は、Aさんの両親に対して執行猶予となる可能性があることを説明しました。
(フィクションです。)

【大麻所持について】

大麻は、アサという植物を原材料とする規制薬物の一種です。
一口に大麻と言っても、その種類は乾燥大麻、大麻樹脂、液体大麻など実に様々です。
ただ、いずれにも共通しているのは、脳などに作用することで身体に様々な影響をもたらす点です。
医療の現場では、鎮痛作用を期待して医療用大麻が用いられることがありますが、そうした場合にも慎重な扱いが要求されています。

大麻摂取による症状としては、意識障害、集中力の低下、幻覚・幻聴などが挙げられます。
また、大麻には他の薬物と同様に依存性があり、場合によっては大麻の摂取を止めることによる心身の不調(離脱症状)が出ることもあります。
このように、大麻は社会への悪影響が懸念されることから、日本では大麻を規制すべく大麻取締法という法律が定められています。

上記事例では、Aさんが自宅において大麻を所持しています。
このような行為は大麻所持にあたり、Aさんは大麻取締法違反により5年以下の懲役が科されるおそれがあります。
更に、仮に大麻所持の目的が営利目的だった場合、法定刑が7年以下の懲役に引き上げられることになります。
大麻所持に関しては、よほど少量でない限り不起訴となることは考えがたいため、発覚したら正式裁判で懲役刑が科されうることは覚悟すべきでしょう。

【執行猶予とは何か】

仮に大麻所持が発覚したとしても、初犯で所持の量もそれほど多くなければ執行猶予となる可能性が十分あります。
執行猶予とは、刑の執行に一定の猶予期間を設けるとともに、その期間中に執行猶予が取り消されなければその後も刑の執行をしないこととする制度です。
執行猶予の利点は、刑の全部執行猶予が言い渡された場合に、判決後直ちに刑務所に収容されるという事態を回避できる点です。
これにより、たとえ懲役刑を言い渡されたとしても社会復帰を実現できる余地が出てくるのです。

執行猶予は、一定の事情が発生した場合に必ず取り消され、または取り消されることがあります。
執行猶予が必ず取り消される事情としては、たとえば執行猶予の言い渡し後に禁錮以上(懲役を含みます)の刑が科される場合が挙げられます。
また、執行猶予が取り消される可能性がある事情としては、たとえば保護観察付の執行猶予となった際、保護観察中に遵守すべき事項を遵守しなかった場合が挙げられます。
執行猶予は早期の社会復帰を目指せる点で有益な制度ですが、制度の内容は複雑であり、なおかつ目指すためには裁判における相応の振舞いが求められます。
もし執行猶予に関して疑問があれば、ぜひ一度お近くの弁護士に相談してみてください。
執行猶予の見込みや、執行猶予を目指すためにやるべきことなど、きっと役立つアドバイスを受けることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、執行猶予のことならなんでも丁寧にお答えいたします。
ご家族などが大麻所持の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

覚せい剤の密売

2020-09-24

覚せい剤の密売事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

◇事例◇

大阪市東成区に住むAさんはバーを経営していおり、その客に覚せい剤を売りつけていました。
ある日、Aさんが一人でお店にいる時に、厚生局麻薬取締部の捜査員が、捜索差押許可状を持って来て、店内を捜索されました。
そして、バックヤードに隠していた覚せい剤が見つかってAさんは、覚せい剤の所持違反現行犯逮捕されたのです。
Aさんは、20日間の勾留後に、覚せい剤の営利目的所持起訴されてしまいました。
(このお話はフィクションです。)

◇営利目的の覚せい剤所持事件◇

覚せい剤取締法で、覚せい剤の所持を禁止しています。
自分で使用する目的などの、非営利目的の単純な所持事件ですと、起訴されて有罪が確定すれば10年以下の懲役が科せられます。
特別な事情がない限りは、初犯だと執行猶予判決となる可能性が高く、刑務所に服役することは免れますが、再犯の場合は、実刑判決の可能性が高くなります。

密売等の営利の目的で覚せい剤を所持していたと認められた場合は、営利目的の覚せい剤所持罪となり、この罪で起訴されて有罪が確定すれば、1年以上の有期懲役が科せられることとなり、情状によっては300万円以下の罰金を併せて科せられます。

~営利の目的~

覚せい剤取締法では、大きく分けて所持、譲渡、譲受、使用、輸出入、製造を禁止しており、それぞれの違反形態は、非営利目的と営利目的とに分かれています。
そして営利目的には加重処罰規定を設けているのです。
このような加重処罰規定が設けられたのは、財産上の利得を目当てとして犯罪を行うことが道義的に厳しく非難に値するというだけでなく、一般にその行為が反復され、覚せい剤の濫用を助長・増進させ国民の保健衛生上の危害を増大させる危険性が高いからです。
営利の目的は、犯人が自ら財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とする場合を意味します。
警察等の捜査当局は、押収した覚せい剤の量や、実際に覚せい剤を買った人物がいるかどうか(密売履歴)、覚せい剤を密売して得た財産等から営利目的を立証するのですが、単に覚せい剤を有償で譲り渡すことだけで営利目的と認められるわけではありません。
営利目的の覚せい剤所持罪は、非営利目的の単純な所持罪に比べて非常に重たい法定刑が定められています。
営利目的の覚せい剤所持事件で逮捕、起訴された場合は、初犯であっても刑務所に服役する可能性があるので、早期に薬物事件に強い弁護士を選任する事をお勧めします。

◇麻薬取締官◇

麻薬取締官は、警察官とは異なり、違法薬物の捜査がのみが許されてる、厚生労働省の職員のことで、巷では「麻薬Gメン」と呼ばれています。
麻薬取締官は、薬物捜査に限って捜査権が与えられており、拳銃や警棒等の武器の所持も法律で認められています。
麻薬取締官は、麻薬及び向精神薬取締法やあへん法、麻薬特例法で、警察捜査では許可されていない「おとり捜査」がある程度許されています。
そのため麻薬取締官は薬物に対する専門的な知識を有しており、麻薬取締官の多くは薬剤師の国家資格を有しています。
麻薬取締官の扱う薬物事件は、大規模な組織的な密売、密輸事件や、有名人、著名人が起こした事件が多いです。
麻薬取締官に逮捕された場合でも、基本的な捜査手続きは警察に逮捕された場合と同じですが、麻薬取締官が所属する厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部にある留置場は、勾留中の被疑者を収容する事ができないので、拘置所で身体拘束を受ける場合がほとんどです。

大阪市で営利目的の覚せい剤所持事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が麻薬取締官に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

大麻の栽培事件

2020-09-17

大麻の栽培事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

【事例】

土木作業員をしているAさんは、大阪府東大阪市にある職場の近くに、仕事道具を置くために借りている倉庫で大麻を栽培しています。
Aさんは、10年以上前に友人から大麻の栽培方法を教えてもらってからずっと、この倉庫で大麻を栽培しているのです。
最初は自分が使用する分だけを自宅マンションで栽培していましたが、今では、倉庫で大量の大麻を栽培しており、インターネットで知り合った大麻愛好家に密売しています。
先日、Aさんから大麻を購入した客が警察に逮捕されたという話を聞いたAさんは、警察の捜査が自身にまで及ぶのではないか心配です。
(フィクションです)

【警察が取り締まる大麻事件】

大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、栽培、輸出入等が禁止されており、これらの違反を警察が取締っています。
覚せい剤取締法では覚せい剤の使用を禁止し、罰則規定が設けられていますが、大麻取締法では大麻の使用を禁止した条文がないのが特徴です。
また、大麻取締法で禁止されているそれぞれの違反形態には、非営利目的と営利目的があり、罰則規定が異なります。

【大麻事件の警察捜査】

~所持事件~
大麻の所持事件は、警察官の職務質問や、交通違反等によって発覚する事件がほとんどです。
警察で薬物捜査を担当した経験のある元警察官によると「大麻の単純な所持事件は、職務質問等で発覚するケースがほとんどです。大麻の臭いは特徴的なので、職務質問や交通違反の取締りの際に車の中から、大麻の特徴的な臭いがすれば徹底的に車内を検索して大麻を見つけます。そして大麻があればその場で現行犯逮捕です。」とのことです。
このようにして事件が発覚する他に、密告等によって大麻所持の疑いがある者に対しては、警察が長期間に及ぶ内偵捜査を行い、その後関係際先に対して捜索差押(いわゆる「ガサ」)が行われることによって発覚する事件もあります。
この捜索差押によって大麻が発見された場合も、大麻の所持罪で現行犯逮捕されるのですが、このようにして発見押収された大麻が大量であった場合は、営利目的を疑われます。
押収された大麻量が多かったり、大麻を密売して利益を得ていたことが立証された場合等は、営利目的と認定されることがあるのです。
非営利目的の大麻所持罪の法定刑は「5年以下の懲役」ですが、営利目的の法定刑は「7年以下の懲役(情状によっては200万円の罰金が併科される場合もある)」と厳しいものです。

~譲受事件~
大麻の譲渡罪は、先に大麻の所持罪で逮捕された者が、取調べにおいて「●●さんから入手した。」と供述することによって発覚する事件が大半です。
警察は、この供述に対する裏付け捜査を行います。
大麻の受け渡しの際に携帯電話で連絡を取り合っていた場合は、携帯電話の通話記録を調べたり、受け渡し場所やその周辺に設置された防犯カメラの映像を確認したりするのです。
そして、この供述を裏付けるだけの証拠がある場合は、大麻の譲渡罪で逮捕されることがあります。
そして譲渡罪で警察の捜査を受ける場合も、関係際を捜索差押されることになります。
もし捜索差押で大麻が発見された場合は、譲渡罪とは別の大麻の所持罪にも問われることとなります。
譲渡罪も、非営利目的と営利目に別れており、それぞれの法定刑は所持罪と同じです。

【執行猶予とは何か】

仮に大麻栽培が発覚したとしても、初犯で栽培の量もそれほど多くなければ執行猶予となる可能性が十分あります。
執行猶予とは、刑の執行に一定の猶予期間を設けるとともに、その期間中に執行猶予が取り消されなければその後も刑の執行をしないこととする制度です。
執行猶予の利点は、刑の全部執行猶予が言い渡された場合に、判決後直ちに刑務所に収容されるという事態を回避できる点です。
これにより、たとえ懲役刑を言い渡されたとしても社会復帰を実現できる余地が出てくるのです。

執行猶予は、一定の事情が発生した場合に必ず取り消され、または取り消されることがあります。
執行猶予が必ず取り消される事情としては、たとえば執行猶予の言い渡し後に禁錮以上(懲役を含みます)の刑が科される場合が挙げられます。
また、執行猶予が取り消される可能性がある事情としては、たとえば保護観察付の執行猶予となった際、保護観察中に遵守すべき事項を遵守しなかった場合が挙げられます。
執行猶予は早期の社会復帰を目指せる点で有益な制度ですが、制度の内容は複雑であり、なおかつ目指すためには裁判における相応の振舞いが求められます。
もし執行猶予に関して疑問があれば、ぜひ一度お近くの弁護士に相談してみてください。
執行猶予の見込みや、執行猶予を目指すためにやるべきことなど、きっと役立つアドバイスを受けることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、執行猶予のことならなんでも丁寧にお答えいたします。
ご家族などが大麻事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

麻薬所持で初回接見

2020-09-10

麻薬所持事件における初回接見の重要性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

【事例】

兵庫県神戸市須磨区に住むAさん(15歳)は、友人のBさんから「飲むと疲れが吹き飛ぶよ」と言われ、何かのマークが書かれた錠剤を貰いました。
Aさんが試しにその錠剤を飲んでみたところ、今まで味わったことのないほどの多幸感を抱き、その効果が数時間持続しました。
錠剤の効果が切れてから、Aさんはそれが何らかの薬物だと考えるに至りましたが、あまりの快感からBさんに「またほしい」とお願いしました。
その後、Aさんはたびたびその錠剤を摂取していましたが、ある日麻薬及び向精神薬取締法違反(麻薬所持)の疑いで兵庫県須磨警察署逮捕されました。
Aさんが逮捕されるのを茫然と見ていたAさんの母は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)

【麻薬所持について】

麻薬はケシという植物を原材料とする薬物であり、鎮痛作用をはじめとして身体に様々な作用を及ぼします。
麻薬の代表例としては、医療の現場で痛みを抑えるために用いられるモルヒネが挙げられます。

麻薬は使い方を誤ると身体に種々の悪影響を及ぼす危険なものであるため、日本では麻薬及び向精神薬取締法が様々な規制を設けています。
規制の内容は、「麻薬」として指定された薬物の輸出入、製造、譲渡しなどの禁止や、医療機関における麻薬の管理および麻薬中毒者に対する措置などです。

麻薬及び向精神薬取締法は、麻薬を特に危険性が高い「ジアセチルモルヒネ等」(ジアセチルモルヒネまたはその塩類を含む麻薬。代表例としてヘロイン)とそれ以外とに分けています。
そして、それぞれの麻薬の所持につき、以下のとおり罰則を定めています。

①ジアセチルモルヒネ等…10年以下の懲役
※営利目的なら1年以上の懲役と場合により500万円以下の罰金を併科
②①以外…7年以下の懲役
※営利目的なら1年以上10年以下の懲役と場合により300万円以下の罰金を併科

少年事件では刑罰が科されませんが、事件の重大性は犯した罪の法定刑にある程度比例します。
ですので、麻薬所持の非行事実が認められた場合は、厳しい結果を回避するために尽力する必要があると言えるでしょう。

【初回接見の重要性】

麻薬に関する事件では、情報を掴んだ捜査機関が最初に捜索差押を行い、物的証拠たる麻薬が見つかった時点で逮捕されるというケースがよく見られます。
そのため、もし麻薬所持が捜査機関に発覚した場合、逮捕の可能性は決して低くないと考えて差し支えありません。

被疑者が20歳未満の者である場合、その者が起こした事件は基本的に少年事件として扱われます。
少年事件の手続は通常の刑事事件とかなり異なりますが、逮捕以後に行われる初回接見の重要性については疑う必要がありません。
初回接見は、逮捕中の被疑者に対して捜査の流れ取調べ対応などを伝えられるとともに、事件の詳細を弁護士と被疑者の家族が知る貴重な機会です。
そのため、少年事件においても、やはり迅速な初回接見は要請されることになります。

加えて、弁護士の活動が多岐に渡る少年事件では、早期に初回接見を行って少しでも早く活動に着手することが非常に重要となります。
少年事件が目指すのは少年の更生であり、最終的に何らの保護処分もなしに終了することもあれば、自宅を離れて少年院に行かなければならないこともあります。
こうした処分の行く末は、非行事実の発覚後いかにして少年の健全な育成環境を整えられるかに掛かっているのです。

もし弁護士が初回接見を通して早期に事件を把握すれば、少年事件のポイントを押さえた環境整備を行う余裕が生まれます。
少年事件の主眼は少年の育成環境を整える点にあるので、そうした余裕を持つことは非常に大切だと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件の経験豊富な弁護士が、事件の円満な解決を目指して力の限りを尽くします。
お子さんが麻薬所持の疑いで逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所(0120-631-881)にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、その後の活動を見据えて可能な限り早く初回接見を行います。

覚せい剤使用事件で逆転無罪

2020-09-03

覚せい剤使用事件における逆転無罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

◇事件◇

京都市に住むAさんは、第一審で懲役2年6月の実刑判決を受けたのですが、逆転無罪判決が言い渡されました。採尿前の職務質問の現場において、警察官が男性の下半身を露出させており、この行為に対して裁判官は「手続きに違法があった。」と認定しました。そして覚せい剤反応が陽性であるとした鑑定書が、この違法手続きと密接な方法で得られたとされて、証拠から排除されたことによって無罪判決が言い渡されました。
(フィクションです。)

◇覚せい剤取締法違反◇

覚せい剤取締法では、覚せい剤の使用、所持、譲り受け、譲り渡し、輸出入等が禁止されています。
今回の裁判で無罪を得た男性は、覚せい剤の使用で起訴されています。
覚せい剤の使用については、起訴されて有罪が確定すれば10年以下の懲役が科せられることになりますが、初犯の場合は、よほどの事情がない限り、非常に高い確率で執行猶予付きの判決が言い渡され、実刑判決になることはほとんどありません。

◇覚せい剤使用事件で逮捕されるまで◇

覚せい剤使用事件で逮捕されるまでについて解説します。
現在、日本の捜査機関は覚せい剤の使用を尿の鑑定によって立証する方法を採用しています。(毛髪による鑑定が行われることもあるが非常に稀で、実際はほとんど行われていない。)
警察官による職務質問や、捜査機関による内偵捜査によって覚せい剤を使用している疑いがある人に対して警察官は採尿を求めることができます。
最初は任意の採尿を求められますが、この任意採尿を拒否すれば、裁判官が発付する「捜索差押許可状」を基に強制採尿されることとなります。
こうして採尿された尿は、覚せい剤成分が含まれているかどうかを鑑定されることになります。
緊急性がある場合には、警察署に設置されている専用の機械や、簡易の検査キットを使用して警察官によって簡易鑑定が行われ、その鑑定で陽性反応が出ると、その時点で逮捕されます。
緊急性がない場合や、採尿した尿の量が少なければ簡易鑑定は行われずに、科学捜査研究所における尿鑑定を受けることになります。
科学捜査研究所における尿鑑定は、科学捜査研究所の鑑定員によって行われるため、検査結果が出るまでに時間を要します。そのため、採尿した後はいったん解放されて帰宅することができます。
科学捜査研究所における尿鑑定で覚せい剤の陽性反応が出ると、鑑定員によって「鑑定書」が作成されます。
警察官による簡易鑑定によって逮捕された場合であっても、その後、残りの尿が科学捜査研究所の鑑定員によって鑑定されて、最終的には「鑑定書」が作成されます。
そして、覚せい剤使用事件の刑事裁判では、科学捜査研究所の鑑定員の作成する「鑑定書」が、被告人の有罪を決定づける重要な証拠となります。

◇鑑定書の証拠能力◇

覚せい剤使用事件の刑事裁判では、覚せい剤を使用したか否かの判断は、尿の鑑定結果が記載された「鑑定書」によって証明されます。
鑑定書に証拠能力が認められるのは、作成までの刑事手続きが適法に行われていたことが前提ですので、それまでの刑事手続きが違法であった場合には、今回の刑事裁判のように、鑑定書の証拠能力が認められない可能性があります。
今回の刑事裁判では、男性を職務質問した警察官が、男性に対して下着を脱がせて身体検査を行ったり、下半身に触れたことを認定し、それについて裁判官は「プライバシーを尊重せず、手続きには違法がある」と批判したようです。さらに、その違法手続き後に行われた採尿によって収集された尿の鑑定書を、証拠から排除したのです。
覚せい剤の使用を証明するはずの鑑定書が、裁判の証拠から排除されたことによって、男性が覚せい剤を使用していたことを証明する証拠がなくなったので、男性の無罪が言い渡されたと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで数多くの薬物事件の刑事弁護活動を行ってきた実績がございます。
薬物事件でお困りの方、覚せい剤使用事件の刑事裁判でお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

危険ドラッグ輸入事件で警察取調べ対応の弁護士

2020-08-27

危険ドラッグ輸入罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

福岡県北九州市若松区在住のAさん(50代男性)は、危険ドラッグの「ラッシュ」を、違法薬物とは知らずにネット通販で注文した。
後日に、福岡県若松警察署からAさんに連絡が来て、「税関でラッシュ輸入が止められている件について、危険ドラッグ輸入の容疑で、警察署でAさんから事情を聞きたい」と言われた。
Aさんは、警察署の事情聴取に向かう前に、刑事事件に強い弁護士と法律相談をして、今後の取調べ供述対応や弁護方針を話し合い、刑事処罰を軽くするための弁護活動を弁護士に依頼することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~危険ドラッグとは~

危険ドラッグとは、麻薬や覚せい剤などの違法な薬物と同様な作用をもたらすように、人工的に新しく合成された薬物のことをいいます。
既存のドラッグの化学構造の一部を変えることで、「同じ効果を持つ別の薬品」を生成することができるため、今ある法律から規制を受けないものとなる、という宣伝のもとで、近年、流通を拡大してきました。
しかし、化学構造を変えたことで、さらに深刻な副作用の悪影響が出るようになった薬品も多く、その薬物依存性はさらに解決の困難さを増しています。

日本においても、近年になって、危険ドラッグに対する規制が強化され、法律で指定された薬物の輸入、製造、販売、所持、使用、購入、譲受などが禁止されています。
また、「指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高い物」についても、ある程度の規制が及ぶように法律が改正されており、規制の網の目を抜けることは難しい状況に変わりつつあります。

日本では、危険ドラッグを取り締まる法律として「薬事法」(現在の名称は、医薬品医療機器等法)の改正が繰り返されており、指定薬物として、取り締まりの対象を新たに指定する形で規制されてきました。
その規制対象となる「指定薬物」の数は、平成24年以前は約90種であったものが、平成25年2月には約850種となり、平成27年8月時点における指定薬物の数は約1400種までにのぼります。

~危険ドラッグ輸入の刑事処罰~

ラッシュ等の危険ドラッグを、ネット通販等で注文し、輸入しようとして、これが税関で発覚した場合には、「医薬品医療機器等法違反の危険ドラッグ輸入罪」または「関税法違反の輸入してはならない貨物の輸入罪」に当たるとして、刑事処罰を受ける可能性があります。

・医療費医療機器等法 76条の4
「指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(略)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。」

医療費医療機器等法違反危険ドラッグ輸入罪の法定刑は、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科」とされており、さらに、業として危険ドラッグ輸入を行っていた場合には、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又は併科」と刑罰が重くなります。

関税法違反の薬物輸入(輸入してはならない貨物の輸入)の法定刑は、「10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金、又は併科」とされています。

危険ドラッグ所持の罪で逮捕された場合には、違法性の不認識といった無実の主張や、逮捕された場合の身柄の釈放要請、量刑の情状酌量などの面で、弁護士の関与が大きな助けとなります。
危険ドラッグ輸入事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

大麻の執行猶予期間が経過した後、税理士になれる?

2020-08-27

大麻執行猶予期間が経過した後、税理士になれるか、について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部が解説します。

~ケース~

私(ご相談者=Aさん)は大麻取締法違反(所持の罪)の前科を有しています。前科の内容は「懲役1年、3年間の執行猶予」で、4年前に執行猶予期間が経過しました。私は、執行猶予期間中に税理士試験を受験し合格しましたが、税理士となることはできるのでしょうか?
(フィクションです。)

税理士になるには?

税理士になるには(税理士としての業務を行うためには)、

① 税理士の資格を有すること(税理士法3条)
② 税理士名簿に氏名、生年月日等を登録すること(税理士登録すること)(税理士法18条)

が必要です。

「①税理士の資格(税理士法3条)」について

税理士法3条1項1号によると、「税理士試験を合格した者」については、

租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して2年以上を有すること

税理士の資格を取得するための条件としています。

さらに、税理士法4条では、仮に上記の要件を満たした場合でも税理士の資格を取得することができない事由(欠格事由)を10個挙げています。
このうちAさんが関係する規定は同条5号です。

(欠格条項)
税理士法
第四条 次の各号のいずれかに該当する該当する者は、前条の規定にかかわらず、税理士となる資格を有しない。

一~四 (略)
五 国税又は地方税に関する法律及びこの法律以外の法令の規定により禁錮以上の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることができなくなった日から三年を経過しないもの
六~十 (略)

上記の規定をAさんのの場合に当てはめます。
まず、Aさんは大麻取締法違反(所持の罪)で「懲役1年 3年間の執行猶予」の有罪判決を受けたとのことです。大麻取締法違反は「この法律(税理士法)以外の法令」に当たります。また、「禁錮以上の刑」とは禁錮、懲役、死刑の刑罰を意味しています。したがって、Aさんは「この法律以外の法令の規定により禁錮以上の刑に処せられた者」に当たります。
もっとも、Aさんは現在、3年の執行猶予期間が経過してからさらに4年が経過しているとのことです。この点、上記の規定では、(刑の)執行を受けることができなくなった日から3年を経過しない場合に税理士の資格を取得することができない、としているところ、Aさんは4年を経過しています。

以上より、Aさんの場合、税理法4条5号(欠格条項(事由))に当たらず

租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して2年以上を有すること

という条件をクリアすれば、税理士の資格を取得することは可能です。

「②税理士登録すること(税理士法18条)」について

税理士になるには、①税理士の資格を取得することに加えて、登録申請書を税理士会を経由して日本税理士会連合会へ提出し、同会に備え付けられている税理士名簿に税理士登録することが必要です(税理士法18条、19条、21条、22条参照)。

(登録)
税理士法
第十八条 税理士となる資格を有する者が、税理士となるには、税理士名簿に、(略)、氏名、生年月日、(略)の登録を受けなければならない。

(税理士名簿)
税理士法
第十九条
1 税理士名簿は、日本税理士会連合会に備える。
2 税理士名簿の登録は、日本税理士会連合会が行う。
3 (略)

(登録の申請)
税理士法
第二十一条
第十八条の規定による登録を受けようとする者は、同条に規定する事項その他の財務省令で定める事項を記載した登録申請書を、(略)税理士会を経由して、日本税理士会連合会に提出しなければならない。

(登録に関する決定)
税理士法
第二十二条
日本税理士会連合会は、前条第一項の規定による登録申請書を受理した場合においては、当該申請者が税理士となる資格を有し、かつ、第二十四条各号のいずれにも該当しない者であると認めたときは税理士名簿に登録し、当該申請者が税理士となる資格を有せず、又は同条各号のいずれかに該当する者であると認めたときは登録を拒否しなければならない。この場合において、次条第一項の規定による通知に係る者につき登録をしようとするとき、又は登録を拒否しようとするときは、第四十九条の十六に規定する資格審査会の議決に基づいてしなければならない。

税理士法22条からすると、Aさんが税理士となるためには、税理士法24条各号のいずれにも該当しないことが必要のようです。
そこで、税理士法24条の中からAさんに関係する規定を探してみますと、Aさんについては六号のロに該当するかどうかを検討しなければならないこと分かります。

(登録拒否事由)
税理士法
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、税理士の登録を受けることができない。

一~五 (略)
六 次のイからロのいずれかに該当し、税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者
 イ 心身に故障があるとき。
 ロ 第四条第三号から第十号までのいずれかに該当していた者が当該各号に規定する日から当該各号に規定する年数を経過して登録の申請をしたとき。
七 (略)

なぜなら、Aさんは「当該各号に規定する年数」つまり「3年」を経過して登録の申請をする場合に当たるからです。そこで、Aさんが税理士登録を受ける、つまり、税理士になるためにはAさんが「税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者」であるかどうかが問題となります

「税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者」は誰が、どう判断?

Aさんが「税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者」であるかどうかの判断は、日本税理士連合会請求に基づき「資格審査会」が行います(税理士法49条の16第2項)。
そして、税理士法基本通達によって「税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者」かどうかの判断基準を次のように定めています。

(税理士業務を行わせることがその適正を欠くおそれがある者の判定)
24-7

過去における当該申請者の非行の性質や内容、当該非行からの経過期間、その間における本人の反省や謹慎の具体的状況等を総合的に勘案して判定ものとする。
なお、単に税理士法第4条ぢあ4号から第11号までに規定する年数が経過したことのみをもって、当該登録拒否事由に該当しないと判定することがないようにする。

以上から、Aさんが税理士登録できるかどうか、税理士になれるかどうかは、

☑ 非行の性質や内容
☑ 当該非行からの経過期間
☑ その間における本人の反省や謹慎の具体的状況

などをみて判断される、ということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所東京支部は、大麻取締法違反をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております

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