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(事例紹介)MDMAの麻薬取締法違反で無罪 違法捜査認定

2022-09-20

(事例紹介)MDMAの麻薬取締法違反で無罪 違法捜査認定

~事例~

合成麻薬のMDMAを使用したとして麻薬取締法違反の罪に問われた大学生の女性(24)について、東京地裁立川支部は無罪を言い渡した。海瀬弘章裁判官は、現場での簡易検査が陰性にもかかわらず警察署に同行しようとした経緯などをふまえ「任意捜査の限度を超えた」と指摘し、「令状主義の精神を没却する重大な違法捜査」と認めた。判決は9日付。
(中略)
判決は、警察官が女性に「簡易検査で陰性なら帰宅していい」と約束したにもかかわらず、陰性と判明後も署への任意同行を求め続けた行為を「違法」と認定。警察官への暴行は、署への同行を求められるなかで「違法捜査によって直接的に誘発された」と判断した。
逮捕後に実施され陽性とされた尿鑑定については、「重大な違法がある捜査手続きと密接に関連する証拠で、同様の捜査を抑制する見地からも証拠能力を否定すべきだ」と説明した。
(後略)
(※2021年12月15日19:00朝日新聞デジタル配信記事より引用)

~MDMAと違法捜査~

今回取り上げた事例では、MDMA使用による麻薬取締法違反に問われた女性の刑事裁判で、違法捜査が認められて証拠が排除された結果、無罪となっています。
MDMAは、合成麻薬として麻薬取締法で規制されており、所持しているだけでも麻薬取締法違反となりますし、使用することも麻薬取締法違反となります。

こうしたMDMAによる麻薬取締法違反事件などを含む違法薬物事件では、しばしば違法捜査が問題になることがあります。
例えば、今回取り上げた事例では、「警察官が女性に『簡易検査で陰性なら帰宅していい』と約束したにもかかわらず、陰性と判明後も署への任意同行を求め続けた」という行為が違法捜査であったと認定され、その違法捜査と密接に関連する証拠であるとして、逮捕後に行われた尿鑑定について証拠能力を否定したとのことです。

このように、違法捜査によって入手された証拠は、違法収集証拠(その証拠の収集手続きに違法な手続があった証拠)と呼ばれ、刑事裁判で有罪・無罪や刑罰の重さを判断する際に、その証拠能力を否定し排除されることとなっています。
この法則を「違法収集証拠排除法則」と呼ぶこともあります。
この違法収集証拠排除法則は、刑法や刑事訴訟法に違法収集証拠排除法則として定められているというわけではなく、憲法第31条で定められている適正手続の保障と、憲法第35条に定められている令状主義から導き出されるものであると解釈されています。

憲法第31条(適正手続の保障)
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

憲法第35条(令状主義)
第1項 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
第2項 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

つまり、「法律に定められている適正な手続によらなければ刑罰を科されない」ということや「正当な理由に基づいて発布された令状がなければ捜索・押収ができない」ということが憲法に定められているのに、違法捜査=適正でない手続に基づいて収集された証拠が刑事裁判で使われ、それによって刑罰を受けるということになれば、憲法に定められていることに反することになります。
こうしたことから、違法捜査で収集された証拠は刑事裁判では排除しようという違法収集証拠排除法則があると考えられているのです。

しかし、実務上、違法捜査があったとしても必ずしもそれに関連する証拠が刑事裁判で排除されるわけではありません。
違法の程度が重大ではないと判断された場合には、証拠能力が否定されないという場合もあるのです。
違法捜査があったとしてどの程度の違法性なのか、証拠能力を否定できるものなのかなどは、その事件の詳細な事情を全て考慮した上でなければ判断することはできませんし、違法捜査を主張していくにも細かな検討と準備が必要になっていきます。
だからこそ、違法捜査を受けたことを主張したい、無罪を求めたいという場合には、できるだけ早い段階から専門家である弁護士の力を借りることが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで多くの刑事事件を取り扱ってきました。
その中には、MDMAによる麻薬取締法違反事件のような違法薬物事件も存在します。
薬物事件にお困りの方、刑事事件の違法捜査について弁護士に相談し意見を聞きたいという方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

(事例紹介)京都府の大麻譲渡事件で有罪判決 執行猶予となった事例

2022-09-13

(事例紹介)京都府の大麻譲渡事件で有罪判決 執行猶予となった事例

~事例~

舞鶴工業高等専門学校の学生に大麻を売ったとして、大麻取締法違反の罪に問われた元学生で無職の男(22)=兵庫県三田市=の判決公判が22日、京都地裁舞鶴支部であり、堀河民与裁判官は懲役8月、執行猶予2年(求刑懲役8月)を言い渡した。
判決で、男は舞鶴高専に在学していた2016年ごろから大麻を使い始め、卒業後も後輩と大麻を使用したり、譲り渡したりしたとした。
(中略)
起訴状などによると、男は9月27日、舞鶴市内で舞鶴高専生の少年(19)に乾燥大麻を4500円で譲り渡した、としている。
(※2021年12月22日19:17京都新聞配信記事より引用)

~大麻譲渡事件~

今回取り上げた事例では、大麻譲渡による大麻取締法違反で、男性が執行猶予判決を受けたと報道されています。
大麻は所持しているだけでも犯罪となる違法薬物ですが、大麻を他人に譲渡す行為も大麻取締法違反という犯罪になります。

大麻取締法第第24条の2
第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻取締法では、大麻所持行為大麻譲渡行為の目的によって刑罰の重さが異なり、条文も第1項と第2項で分かれています。
大麻取締法第24条の2第1項では、単に大麻を所持したり他人に譲渡したりすることについて定めています。
例えば、自分で施用するために大麻を所持していたり、単に相手に大麻を分け与えたりといったケースでは、この条文が適用されます。
第2項に定められているものと比較して、第1項の条文にあたる大麻所持行為大麻譲渡行為大麻の「単純所持」「単純譲渡」などと呼ばれたりします。

一方、大麻取締法第24条の2第2項では、大麻所持行為大麻譲渡行為を営利目的で行っていた場合について定めています。
簡単に言えば、客に売却してもうけを出すために大麻を所持していたり実際に売却していたりするようなケースでは、この第2項の条文が適用されることとなります。
こちらについては、大麻の「営利目的所持」「営利目的譲渡」などと呼ばれることもあります。

今回取り上げた事例では、報道からは、男性に適用された条文が単純譲渡のものなのか営利目的譲渡のものなのかは定かではありません。
男性は少年に大麻を有償で譲渡していたとのことですから、営利目的譲渡と判断された可能性もありますし、もらっていた金額が儲けが出るほどのものではなく単純譲渡と判断された可能性もあるといえます。

大麻取締法違反事件は初犯であれば比較的執行猶予が付きやすいと言われており、今回取り上げた事例でも執行猶予がついていますが、大麻の所持していた量や目的、譲渡などの頻度や期間などによっては、当然初犯でも実刑判決が下る可能性があります。
「大麻だから」「初犯だから」と軽く考えず、再犯防止の意味も込めて、早い段階から弁護士のサポートを受けつつ、執行猶予獲得刑罰の減軽を目指して活動していくことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を数多く取り扱う弁護士大麻取締法違反事件などの薬物事件に対応しています。
捜査段階から刑事裁判まで、弁護士がフォローしていきますので、刑事事件や刑事手続きにご不安のある方はお気軽にご相談ください。

(事例紹介)コカイン・大麻の営利目的輸入事件で実刑求刑

2022-09-06

(事例紹介)コカイン・大麻の営利目的輸入事件で実刑求刑

~事例~

米軍基地内郵便局の私書箱を使い、米国からコカインや大麻を営利目的で密輸するなどしたとして、麻薬取締法や大麻取締法違反などの罪に問われた、住所不定、無職の被告(30)の公判が8月31日、那覇地裁(小野裕信裁判長)で開かれた。
検察側は懲役18年、罰金500万円を求刑。
弁護側は無罪を主張した。
判決は9月30日。
(後略)
(※2022年9月2日11:54YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~刑事裁判の流れと刑罰の決まり方~

今回の記事では、アメリカからコカインや大麻といった薬物を営利目的で輸入したという、麻薬取締法違反大麻取締法違反といった容疑で起訴された被告の事例を取り上げています。
報道では、検察側は懲役18年、罰金500万円という刑罰を求刑したとされていますが、そもそも何か犯罪を疑われて裁判となった場合にどのように刑事裁判が進んでいき、有罪となった場合にはどのように刑罰が言い渡されるのでしょうか。

事件の捜査を経て、検察官が有罪に足る証拠があるという判断をした場合には、検察官が事件を起訴し、刑事裁判となります。
起訴されてから実際に刑事裁判が行われるまでの期間は、その刑事事件の事情によってまちまちですが、一般には起訴から2か月以内に1回目の刑事裁判が開かれることが多いです。
ただし、事件関係者が多数存在したり、事件内容が複雑であったりすれば、刑事裁判本番が開かれる前にその準備の手続(公判前整理手続など)が行われる場合もあり、そうした場合には起訴されてから裁判本番となるまでに年単位の時間がかかることもあります。

こうして刑事裁判が開かれると、その裁判の中で有罪・無罪や有罪であった場合の刑罰の重さを決定していくことになります。
刑事裁判では、被告人が起訴されている内容を確認した後、被告人の認否を確認し、検察官側の冒頭陳述を経て検察側・弁護側の証拠を調べていきます。
そして、弁護側に情状証人がいればその証人の尋問を行った上で、被告人本人への尋問が行われます。
これらの証拠調べや尋問を経て、検察官が最終的に意見を述べ(論告)、被告人に対してどれほどの刑罰を与えることを求めるか示します(求刑)。
その後、弁護側が最終的な意見を述べて被告人に与えるに適切な刑罰についても意見します(弁論)。
検察側の論告・求刑と弁護側の弁論が終わると、裁判所がそれぞれの意見やそれまでの証拠などを踏まえて判決を出し、刑事裁判が終了します。

こうした流れで刑事裁判が開かれますが、今回取り上げた事例では、検察官の論告・求刑と弁護側の弁論までが終了し、次回の刑事裁判の期日で判決が出るということです。
報道では、検察側は「懲役18年、罰金500万円」を求刑したとされていますが、執行猶予は言い渡される刑罰が懲役3年以下の場合に限られますから、検察側としては被告人に対して実刑を求めているということになるでしょう。

検察側の求刑に対し、弁護側は弁論によって、その求刑よりも軽い刑罰を裁判所に求めたり、今回取り上げた事例のように、無罪を主張したりするということになります。
そのためには、刑事裁判までに被告人に有利な事情を調査したり、それらを証拠化したりする準備が必要になります。
特に、無罪を争うというケースであれば、起訴前の段階から慎重に取調べなどに対応していかなければなりません。
刑事裁判本番だけ主張をすればよいというわけではなく、裁判よりも前から準備をして臨まなければいけないのです。
だからこそ、早い段階で弁護士に相談し、刑事裁判になる可能性があるかどうか、刑事裁判となるならどういった準備が必要なのかといったことを把握しておくことが重要なのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、違法薬物の輸入事件などについてもご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽に弊所お問い合わせ用フリーダイヤルまでお電話ください。
ご相談者様の状況にあわせて、スタッフがご案内いたします。

(事例紹介)大麻所持の疑いで30代男性が逮捕

2022-08-30

(事例紹介)大麻所持の疑いで30代男性が逮捕

~事例~

大阪市北区で大麻を所持していたとして元会社役員の男が逮捕・追送検されました。
(中略)容疑者は先月7日、大淀警察署内で約8グラムの乾燥大麻(末端価格4万8000円相当)を所持していた疑いが持たれています。
(中略)
その後の捜査で、(中略)容疑者が「大麻を吸うための部屋を借りていた」と話したため、警察が大阪市北区のマンションを捜索したところ、約20グラムの大麻が見つかり、16日、追送検しました。
(8月16日 YAHOO!JAPANニュース 「大麻所持疑いで逮捕の男は“警察署協議会の元委員” 交通安全のボランティア活動などに参加」より引用)

~大麻所持事件の弁護活動~

大麻取締法第24条の2第1項は、「大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する」としています。
取調べでは、どのようにして大麻を入手したのかについて、詳しく尋ねられるでしょう。
余罪についても追及される可能性が極めて高いです。

取調べを受けるにあたって、被疑者としてどういった権利を持っているのか、自分自身の認識はどういったものだったのかということをきちんと把握しておかなければ、誘導に乗って不本意な調書が出来上がってしまうリスクもあります。
弁護士からアドバイスを早い段階から受けておくことで、こうしたリスクを低減することが期待できます。

~長引きがちな身体拘束~

大麻取締法違反事件に限らず、薬物犯罪の疑いで逮捕されると、身体拘束が長引く傾向にあります。
原因としては、前述した余罪の追及、入手先、流通ルートの解明などに時間がかかることや、薬物の証拠隠滅が容易であることなどが挙げられます。
反面、捜査によって事件が十分解明されれば、起訴された後に保釈により釈放されるケースが多いのも特徴です。
初犯であれば、適切な弁護活動を尽くすことにより、執行猶予付き判決を獲得できる可能性も十分あります。

大麻所持の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに刑事事件に詳しい弁護士の接見を受け、今後の弁護活動についてアドバイスを受けましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取扱う法律事務所です。
ご家族が大麻所持の疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)電子たばこにHHC 薬機法違反で逮捕

2022-08-16

(事例紹介)電子たばこにHHC 薬機法違反で逮捕

~事例~

「ヘキサヒドロカンナビノール(HHC)」と呼ばれる指定薬物を所持したとして、神奈川県警磯子署は14日、医薬品医療機器法(旧薬事法)違反の疑いで、横浜市港北区菊名6丁目、会社員の男(36)を逮捕した。
HHCは3月施行の厚生労働省令で指定薬物に追加され、製造や所持、使用などが原則禁止された。
中枢神経系に作用し、高揚感などが得られるという。
(中略)
逮捕容疑は3月22日、同市磯子区滝頭3丁目の路上に止めた乗用車内で、HHC約0・2グラムを所持した疑い。
「自分で吸うために持っていた」と容疑を認めているという。
署によると、職務質問で見つかった電子たばこのカートリッジに、HHCが含まれていた。
(※2022年7月15日5:01YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

・HHCと薬機法違反

以前も記事として取り上げたことがありますが、今回の報道にあるHHCとは、「ヘキサハイドロカンビナール」という成分のことです。

HHCは、大麻に含まれる成分を加工したものであり、大麻に含まれるTHC(「テトラヒドロカンナビノール」)という成分に似た、向精神作用などがあるとされています。
THCは元々違法とされている成分でしたが、引用元の記事にもある通り、HHCは今年の3月から指定薬物となり、薬機法での規制が開始されたばかりです。

薬機法(正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)では、「指定薬物」とされた薬物を規制しています。
「危険ドラッグ」と呼ばれる薬物も薬機法の「指定薬物」として規制されていますが、HHCもこの危険ドラッグ同様に、薬機法によって規制されることとなったのです。

薬機法第76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

このように、薬機法では規制薬物を所持することも禁止されています。
ですから、HHCを所持しているだけでも薬機法違反という犯罪になるのです。

薬機法第84条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第28号 第76条の4の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。)

HHCは、電子たばこのブースターに、HHCの入ったリキッドを使用するという方法で吸われることが多いようです。
近年普及している電子たばこという身近な存在を介することもあり、使用のハードルが下がってしまうということもあるかもしれません。
しかし、上述した通り、HHCは所持しているだけでも犯罪となる違法薬物ですから、手を出さないことが一番です。
それでも、もしもHHCを所持してしまった、使用してしまったという容疑で薬機法違反となってしまった場合には、速やかに弁護士に相談し、刑事手続きに適切に対応するためのアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬機法違反事件を含む薬物事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽に0120-631-881までお問い合わせください。

(事例紹介)営利目的譲渡による大麻取締法違反事件と保釈

2022-08-09

(事例紹介)営利目的譲渡による大麻取締法違反事件と保釈

~事例~

群馬、沖縄両県警の合同捜査本部は7日、大麻取締法違反(営利目的譲渡)の疑いで、埼玉県熊谷市の無職男=当時(25)=ら20代の男4人を逮捕した。
(中略)
4人の逮捕容疑は共謀して昨年8月~10月、埼玉県内のコンビニエンスストアから3回にわたり、それぞれ大麻草約100グラムを代金29万~32万円で、大分市内の顧客宛に宅配便で発送し、営利目的で大麻を譲り渡した疑い。
(※2022年6月7日上毛新聞配信記事より引用)

~大麻の営利目的譲渡による大麻取締法違反事件~

大麻取締法3条は、大麻取扱者(大麻取締法2条2項・3項に定められた都道府県知事の免許を得た者)以外の者が大麻を譲り渡すことを禁止しています。

大麻取締法3条
大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。

そして、大麻取締法24条の2は、大麻をみだりに譲り渡すことを禁止しています。
特に、大麻取締法24条の2第2項は、営利目的譲渡し行為を厳しく罰しています。

大麻取締法24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

大麻取締法24条の2第2項
営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。

大麻取締法24条の2第1項の「譲り渡し」とは、大麻について何らかの処分権を与えてその所持を移転することをいいます。
刑事事件例では、AさんはVさんに大麻を売り渡しており、このAさんの行為は大麻取締法24条の2第1項の「譲り渡し」に該当すると考えられます。

また、大麻取締法24条の2第1項の「みだりに」とは、法律に大麻の譲渡しを適法とする除外事由がないことをいいます。
例えば、大麻取締法3条は「大麻取扱者でなければ」大麻を譲り渡してはいけないと規定しています。
この場合、大麻取扱者であることは、大麻取締法に規定された大麻の譲渡しを適法とする除外事由に当たります。

今回取り上げた事例では、逮捕された男性らの大麻の譲渡し行為を適法とさせる法定の除外事由は報道からは見当たりません。
大麻の譲渡しは大麻取締法24条の2第1項の「みだりに」行われたと判断されたのでしょう。

さらに、大麻取締法24条の2第2項の「営利の目的」とは、財産上の利益を得る目的をいいます。
今回取り上げた事例でも、男性らは顧客相手に大麻を販売していたようです。
売り渡すという意味通り、男性らは財産上の利益(代金)を得る目的があった、すなわち大麻取締法24条の2第2項の「営利の目的」があったと考えられます。

以上より、男性らには大麻取締法違反の罪(営利目的譲渡し)が成立すると考えられます。

~保釈~

刑事訴訟法89条は、同条1号から6号がない限り、被告人の方の権利として保釈を許可しなければならないとしています。

刑事訴訟法89条
保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。

刑事訴訟法89条の「次の場合」とは、①重大犯罪であること、②重大犯罪の有罪判決を受けたことがあること、③常習して犯罪を犯していること、④罪証隠滅のおそれがあること、⑤証人威迫等のおそれがあること、⑥氏名又は住所不定であることです。

また、刑事訴訟法90条は、権利保釈が認められなくとも、裁量により保釈を許可することができると規定しています。

刑事訴訟法90条
裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

もしも権利保釈が認められなくとも、例えば会社を解雇されるおそれがある、家族の介護が必要である、被告人本人の通院が必要であるといった保釈を認めてもらう必要性などを合わせて主張していくことで、この裁量保釈を求めていくこともできます。

保釈は何度でも請求することができますので、弁護士と共に保釈に十分な環境を整えながら粘り強く保釈を求めていくことが重要です。

今回の事例では、まだ男性らは逮捕されて捜査されている段階ですが、この後男性らが身体拘束されたまま事件が起訴されるとなれば、こうした保釈制度を利用して釈放を求めていくことも考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
営利目的譲渡による大麻取締法違反事件での保釈についてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

(事例紹介)覚醒剤使用と危険運転致傷罪

2022-08-02

(事例紹介)覚醒剤使用と危険運転致傷罪

~事例~

鳥栖署は1日、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで、住居、職業ともに不詳の男(47)を再逮捕した。
再逮捕容疑は2021年10月16日午後0時10分ごろ、鳥栖市原町の国道3号で、覚醒剤などの影響により正常な運転が困難な状態で軽ワゴン車を運転し、信号停車中のトラックに後方から衝突、トラック運転者の首や腰に12日間のけがを負わせた疑い。
(中略)
 鳥栖署によると、尿から覚醒剤、血液から睡眠導入剤が検出された。
(後略)
(※2022年8月1日19:15佐賀新聞配信記事より引用)

~覚醒剤使用と危険運転致傷罪~

今回取り上げた事例では、男性が危険運転致傷罪の容疑で再逮捕されています。
報道によれば、男性はすでに覚醒剤使用による覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕・起訴されているとのことで、取り上げた報道はそのあと危険運転致傷罪の容疑で再逮捕されたという経緯のものです。

覚醒剤を使用すれば、覚醒剤取締法違反という犯罪になることは多くの方がご存知のことと思います。
しかし、その覚醒剤の使用に関連して成立する犯罪もあります。
今回取り上げた報道にある、危険運転致傷罪はその1つです。

危険運転致傷罪は、いわゆる自動車運転処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に定められている犯罪です。

自動車運転処罰法第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
第1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

危険運転致傷罪は、自動車運転処罰法第2条に定められており、第1号~第8号に定められている危険運転行為によって人を負傷させた場合に成立します。
第1号~第8号に定められている8つの危険運転行為のうち、第1号の危険運転行為は、上記の通り「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」とされています。
この「薬物」には、睡眠薬などの病院などで処方される薬のほか、今回問題となっている覚醒剤などの違法薬物も含まれています。
ですから、例えば覚醒剤を使用して意識が混濁しているような状態で自動車を運転し人身事故を起こしたという場合には、この自動車運転処罰法第2条第1号に当てはまる危険運転致傷罪に問われるということになります。

今回取り上げた事例では、男性はまさに覚醒剤などを使用した影響で正常な運転が困難な状態で自動車を運転して人身事故を起こしてしまったという容疑をかけられています。
かけられた容疑の内容が事実だとすれば、危険運転致傷罪が成立する可能性があるということになるでしょう。
対して、容疑の内容と事実が異なり、危険運転行為はなかったということであれば、危険運転致傷罪ではなく過失運転致傷罪(自動車運転処罰法第5条)にとどまるとされる可能性もあります。

「正常な運転が困難な状態」といえるかどうかなど、危険運転致傷罪の成立には専門的な観点から検討すべき点が多く存在します。
もちろん、覚醒剤を使用したことに対する覚醒剤取締法違反への対応も必要です。
今回のケースのように、覚醒剤の使用に関連して、薬物犯罪以外の部分で複数の犯罪が成立するケースもありますから、刑事事件に幅広く対応している弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、覚醒剤取締法違反事件はもちろん、交通事件から暴力事件、性犯罪事件まで幅広い刑事事件を手掛けています
お困りの際はお気軽にご相談ください。

(事例紹介)合成麻薬MDMA輸入事件で逮捕された事例

2022-07-26

(事例紹介)合成麻薬MDMA輸入事件で逮捕された事例

~事例~

兵庫県警薬物銃器対策課などは13日までに、麻薬取締法違反などの疑いで、ナイジェリア国籍、会社員の男(28)=大阪市住吉区=とフィリピン国籍のパート従業員の女性(49)=西宮市=を逮捕、送検した。
逮捕容疑は4月23日、営利目的で合成麻薬MDMA4871錠(末端価格約2435万円)をベルギーから輸入した疑い。
男は容疑を否認しているという。

同課によると、大阪税関で下着などが入った段ボール箱からMDMAが発見された。箱の内側が二重構造になっており、袋に詰まった錠剤が隠されていた。

荷物の送付先は女性の自宅マンションだったが、女性は「荷物は男のもので『受け取って』と頼まれた」と容疑を否認。
神戸地検は13日、女性を処分保留で釈放し、男を麻薬取締法違反罪で起訴した。
(※2022年7月13日18:34YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~MDMA輸入と麻薬取締法違反~

MDMAは、合成麻薬の一種で、覚醒剤と同様、使用すると高揚感や多幸感が得られるとされています。
しかし、使用により精神障害や肝不全などを引き起こすおそれがあり、MDMA麻薬取締法によって規制されています。

麻薬取締法では、MDMAなどの麻薬の輸入について、以下のように定めています。

麻薬取締法第65条
第1項 次の各号の一に該当する者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
第1号 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第69条第1号から第3号までに該当する者を除く。)
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

条文上に出てくる「ジアセチルモルヒネ」とは、いわゆるヘロインのことであり、MDMAはヘロイン以外の麻薬ということになりますので、MDMAの輸入はこの条文で規制されることとなります。

今回取り上げた事例でも、逮捕された男性らは麻薬取締法違反などの容疑をかけられているようです。
報道によれば、先ほど挙げた麻薬取締法第65条第2項にあたる、営利目的のMDMAの輸入という容疑がかけられていると思われます。

~MDMA輸入とその他の犯罪~

MDMAを国際郵便などを利用して輸入して摘発されるというケースは度々起こっており、今回取り上げた事例以外にも、以下のような報道が見られます。

・サプリメントのボトルやコーヒー豆の袋にMDMAの錠剤を詰め、空輸で輸入をし自宅まで送ったという容疑で、すでに麻薬取締法違反の容疑で逮捕されていた容疑者が、名古屋税関清水税関支署から関税法違反で静岡地検に告発された事例(2022年2月22日あなたの静岡新聞配信記事より)
・コーヒー豆の袋の中にMDMAの錠剤を入れて国際郵便で送ったという容疑で、すでに麻薬特例法違反などで大阪地検に起訴され、大阪税関から関税法違反でも告発されていた被告人が、麻薬特例法違反などの容疑で逮捕されたという事例(2022年3月1日産経新聞配信記事より)
・すでに麻薬特例法違反などの容疑で起訴されている被告人について、食品の中にMDMAの錠剤を入れて国際郵便物に隠して輸入したという容疑で、麻薬取締法違反の罪で再逮捕した事例(2022年5月9日産経新聞配信記事より)

これらの報道を見ると、先ほど条文を挙げた麻薬取締法以外にも、MDMA輸入によって麻薬特例法違反や関税法違反といった別の犯罪が成立しているということが分かります。
MDMA輸入事件の場合、単に麻薬取締法違反が成立するだけで終わらないというところに注意が必要です。

例えば、MDMAなどの違法薬物は、関税法によって輸入してはいけないものとして指定されており、輸入すると関税法違反となります。
また、MDMAの輸入を業として行っていた場合には、業として行う薬物犯罪を麻薬取締法よりもさらに厳しく取り締まるために設けられている麻薬特例法に違反することになります。
こうしたことから、今回取り上げた報道でも、逮捕容疑が麻薬取締法違反「など」とされていたり、紹介した報道の事例でも関税法違反や麻薬特例法違反での摘発・告発がされていたと考えられます。

違法薬物の輸入事件では、刑罰の重さが重くなることが予想されることはもちろん、成立する犯罪も複数となる可能性もありますから、早めに弁護士のサポートを受けることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕・勾留によって身体拘束されている方向けのサービスも準備しておりますので、MDMA輸入事件などによって逮捕・勾留されてしまった場合でも、スピーディーに対応できます。
まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

(事例紹介)アパートでの大麻栽培による大麻取締法違反事件

2022-07-19

(事例紹介)アパートでの大麻栽培による大麻取締法違反事件

~事例~

石川署は15日、うるま市石川のアパートで大麻草310株を栽培していたほか、乾燥大麻約630グラム、LSD、MDMAなどの麻薬を複数所持していたとして、大麻取締法違反(営利目的栽培・所持)と麻薬取締法違反(所持)などの容疑で、住所不定の無職の男(44)を逮捕したと発表した。県警による大麻草の押収量としては過去5年で最多。
那覇地検は同日までに、大麻取締法違反や麻薬取締法違反の罪などで起訴した。
逮捕容疑は2021年6月ごろから22年3月ごろにかけて、うるま市内のアパートで、営利目的で大麻草310株を栽培するなどした疑い。
(※2022年7月18日10:59YAHOO!JAPANニュース配信記事より引用)

~大麻栽培と大麻取締法違反~

今回取り上げた事例では、男性がアパートで大麻栽培行為をしていたことや麻薬を所持していたことにより、大麻取締法違反や麻薬取締法違反の容疑により逮捕・起訴されています。
今回は、このうち大麻栽培による大麻取締法違反に焦点を当てていきます。

まず、大麻取締法では、みだりに大麻を栽培することを禁止しています。

大麻取締法第24条
第1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻取締法では、大麻栽培行為の目的が営利目的かどうかということによって、その刑罰の重さを変えています。
例えば、自分で大麻を使用するためだけに大麻を栽培した場合には、大麻取締法第24条第1項の「7年以下の懲役」という刑罰になりますが、他人に販売する目的など営利の目的で大麻栽培行為をしていた場合には、同法同条第2項の「10年以下の懲役」もしくは「10年以下の懲役及び300万円以下の罰金」という刑罰になります。

このように、営利目的で大麻栽培行為をした方が重く処罰されますが、営利目的かどうかは、当事者の供述内容だけでなく、栽培されていた大麻の量や事件関係者の有無、関係者がいる場合にはそのやり取りの内容などから総合的に判断されます。
今回取り上げた報道の事例では、逮捕された男性の供述内容と合わせて、310株という大量の大麻を栽培されていたことなどから営利目的の大麻栽培であったと判断されたのでしょう。

では、大麻栽培に関連した大麻取締法違反事件では、実際にどういった判決がくだされているのでしょうか。
過去に報道された事例では、以下のようなものが見られます。

・園芸販売店の元経営者が、約7年に渡って客に対して大麻栽培に必要な器具の使い方などを教えたことで大麻取締法違反幇助の罪に問われ、反省が書けていることや海外の大麻の工場へ見学に行った事情などから大麻への関心と親和性が高いと考えられること、動機も自己中心的であることなどから、懲役4年の実刑判決が言い渡された事例(2021年3月12日11:56神戸新聞NEXT配信記事より)
・少年院の元法務教官が、自室で大麻草1株を栽培したほか、合成麻薬MDMA1錠や覚醒剤の原材料を所持したことによる大麻取締法違反などの罪に問われ、少年の更生指導に携わる立場から言語道断であるとされたものの、被告人が薬物再乱用防止プログラムを受けていることなどが考慮され、懲役2年6カ月執行猶予4年の判決が言い渡された事例(2020年11月9日朝日新聞デジタル配信記事より)

大麻栽培事件では、栽培されていた大麻の量やその目的、大麻栽培行為をしていた期間や、事件後の取り組みなどによってその量刑が判断されます。
法定刑が「7年以下の懲役」や「10年以下の懲役(あるいは10年以下の懲役及び300万円の罰金)」と期間に幅のある懲役刑となっているだけに、当事者だけでは簡単に見通しが分からず不安を感じることも多いでしょう。
だからこそ、まずは弁護士に事件の詳細を話したうえで、見通しや可能な弁護活動を聞いておくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、大麻栽培事件などの薬物事件も取り扱っています。
刑事事件を中心に取り扱う弁護士が、逮捕から判決までフルサポートしますので、見通しや刑事手続についての不安を感じた際にはお気軽にご相談いただけます。
まずはご遠慮なくお問い合わせください。

[事例紹介]滋賀県守山市の麻薬取締法違反・準強制わいせつ事件

2022-07-05

[事例紹介]滋賀県守山市の麻薬取締法違反・準強制わいせつ事件

滋賀県守山市で起きた麻薬取締法違反・準強制わいせつ事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

滋賀県守山市で昨年12月、薬物中毒で死亡した女子高校生=当時(19)=に大量の向精神薬を渡したなどとして、麻薬取締法違反と準強制わいせつの罪などに問われた無職の男(39)の論告求刑公判が5日、大津地裁であり、検察側は懲役4年を求刑した。判決は28日。
被告人質問で被告は「薬をどんなに飲んでも死にはしないと思っていた」と話し、薬の多量摂取(オーバードーズ)目的で知り合った女性(22)=麻薬取締法違反の罪で有罪確定=や女子高校生に向精神薬を渡したことについて、「渡すと2人がすごく喜んでくれた」と述べた。また、最初からわいせつ行為をする目的はなかった、と主張した。
検察側は論告で、「積極的に薬を譲渡すると言って女性らを自宅に誘い出した」と指摘した。
起訴状によると、被告は昨年12月10日、守山市の自宅で女性に向精神薬の錠剤約100錠を無償で譲り渡し、翌日、女性と共謀し、50錠を女子高校生に無償で譲り渡した。また、同12日、薬物の影響で抵抗できない女性の下半身を触った、としている。
(7月5日 京都新聞  「「オーバードーズ」で女子高生死亡、大量の向精神薬渡した男に懲役4年求刑」より引用)

麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)

向精神薬の譲渡麻薬及び向精神薬取締法麻薬取締法)第50条の16で規定されており、原則向精神薬営業者以外の者の向精神薬の譲渡を禁止しています。
向精神薬を無闇に譲渡し、譲渡目的で所持した場合には3年以下の懲役に処されます。(麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)第66条の4)

今回取り上げた事例では、男性は女子高生に向精神薬を渡していることから、この麻薬取締法に違反する形となっています。

準強制わいせつ罪

準強制わいせつ罪は刑法第178条1項で「人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心身を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。」と規定されています。

準強制わいせつ罪は、大まかにいえば、心神喪失や抗拒不能など、被害者が抵抗することが困難な状態であることに乗じたりそういった状態にさせたりしてわいせつなことをしたときに適用されます。
準強制わいせつ罪で有罪となった場合には、6月以上10年以下の懲役に処されることになります。(刑法第176条)

今回取り上げた事例では、男性は向精神薬を使用した影響で抵抗できない状態=「心神喪失」状態にある女子高生にわいせつな行為をしたと判断され、準強制わいせつ罪に問われたのだと考えられます。

薬物事件というと、薬物を所持していたり使用したりといったイメージが強いですが、薬物犯罪に関連して性犯罪や暴力犯罪など、他の犯罪に発展してしまうケースも存在します。
その場合、当然薬物犯罪をしてしまったときよりも重い刑罰が下される可能性は高くなりますし、被害者対応など、薬物犯罪だけでは発生することの少ない弁護活動が求められるケースも生じるでしょう。
臨機応変に刑事手続きに対応できるよう、早い段階から弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、相談者様の状況に合わせ、無料法律相談や初回接見サービスを行なっております。
ご予約・お問い合わせは0120ー631ー881までお電話ください。

 

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