大麻規制が強化!厳しい刑罰の可能性
これまで規制対象となっていなかった大麻の使用が、12月12日より麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)で規制されるようになりました。
この記事では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が、今回の法改正について解説します。
従来の大麻の規制内容について
大麻の所持
これまでも、大麻の所持については大麻取締法で規制されていました。
自己使用の目的などの単純所持罪の場合、罰則規定は5年以下の懲役で、営利目的で所持していた場合は7年以下の懲役かつ、情状により200万円以下の罰金が併科されていました。
大麻の譲渡・譲受
大麻の譲渡や譲受も、大麻取締法で規制されていました。
罰則規定は、大麻の所持と同じで、単純な譲受等の場合が、5年以下の懲役で、営利目的の場合が、7年以下の懲役かつ、情状により200万円以下の罰金が併科となっていました。
大麻の輸出入
大麻の輸出入も、大麻取締法で規制されていました。
罰則規定は、大麻の所持等よりも厳しく、単純な場合は、7年以下の懲役ですが、営利目的の場合は、10年以下の懲役かつ、情状により300万円以下の罰金が併科されていました。
大麻の栽培
大麻の栽培も、大麻取締法で規制されていました。
罰則規定は、大麻の輸出入と同じ厳しいもので、単純な場合が、7年以下の懲役ですが、営利目的の場合は、10年以下の懲役かつ、情状により300万円以下の罰金が併科されていました。
以上のように、これまで大麻に関しては、大麻取締法によって規制されていたのですが、大麻の使用については規制対象外だったのです。
※尿検査を受けて、そこから大麻成分が検出されても刑事手続きの対象外でした。
麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)での新規制が開始
ところが、12月12日からは、これまで大麻取締法で規制されていた、大麻の所持、譲渡、譲受、輸出入が、代わりに麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)で規制されるようになり、更に、大麻の使用(施用)も規制対象となっています。
大麻の使用(施用)
大麻の使用(施用)の罰則規定は、麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)で使用(施用)が規制されている麻薬等と同じく、7年以下の懲役です。
大麻の所持、譲渡、譲受
大麻の所持、譲渡や譲受の罰則規定は、単純な場合が、7年以下の懲役ですが、営利目的の場合は、1年以上10年以下の懲役かつ、情状により300万円以下の罰金が併科されます。
大麻の輸出入
大麻の輸出入の罰則規定は、単純な場合が、1年以上10年以下の懲役ですが、営利目的の場合は、1年以上の有期懲役かつ、情状により500万円以下の罰金が併科されます。
これらは上と比較していただければお分かりの通り、大麻取締法で規制されていた時よりも罰則内容が厳しくなっているのです。
大麻の栽培について
大麻の栽培については、麻薬取締法(麻薬及び向精神薬取締法)では規制されず、新たに大麻草の栽培の規制に関する法律が12月12日から施行され、そこで規制されています。
大麻を栽培した場合の罰則は、単純なもので1年以上10年以下の懲役ですが、栽培の目的が営利であった場合は、1年以上の有期懲役かつ、情状により500万円以下の罰金も科せられます。こちらの罰則も従来より重くなっています。