MDMA所持事件の弁護活動

2020-05-14

今回は、別荘でMDMAを所持していた疑いで逮捕されてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

Aさんは自身の賃借する千葉県船橋市の別荘において、友人3名とMDMAなどの薬物を使用するなどしていました。
千葉県船橋東警察署はかねてからAさんらを薬物使用の疑いで内偵しており、この度、別荘の捜索差押許可状を請求できるだけの証拠が収集できたので、裁判官から捜索差押許可状の発付を受けました。
警察がAさんの別荘を捜索したところ、MDMA様の錠剤が発見されたので、これを押収しました。
鑑定の結果、押収された錠剤は本物のMDMAであることが明らかになりました。
後日、Aさんは麻薬取締法違反(麻薬所持罪)の疑いで逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~Aさんに成立する犯罪は?~

(MDMAの所持罪)
麻薬及び向精神薬取締法第66条1項は、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持」する行為を禁止しています。
ジアセチルモルヒネ等とは、一般に「ヘロイン」のことを意味します。
MDMAは、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」に該当します。

「所持」とは、「事実上の実力支配関係」をいい、別荘として借りている建物内においてMDMAを保管する行為は、当然「所持」に該当します。
また、人から預かってMDMAを保管している場合であっても、「所持」に該当します。

MDMAの所持については、7年以下の懲役が予定されています。

(MDMAを使用する行為)
MDMAを「施用」(条文上「施用」となっています)する行為も処罰の対象です。

「施用」とは、「麻薬を注射、経口、粘膜への塗布、鼻腔からの吸入等の方法によって、自己又は他人の身体に用いること」をいいます。
AさんがMDMAの錠剤を経口で服用することは、上記の「施用」に該当します。

Aさんは借りている別荘内で友人3名とMDMAを使用するなどしていた、ということですから、所持罪以外にも、施用の罪で捜査されることが十分考えられます。
捜査機関が何らかの方法(任意か強制かはケースバイケースということです)でAさんの尿を取得し、鑑定した結果、MDMAを施用したことが認められるのであれば、MDMAの施用行為を立証する強力な証拠となります。

~Aさんは今後どうなるのか?~

ケースのような薬物事犯においては、入手経路や所持行為、施用行為の態様など、捜査によって明らかにしなければならないことが多く存在します。
そのため、身体拘束が長引きがちであり、法律上可能な期間いっぱいに勾留されてしまうことが考えられます。
Aさんは所持罪で逮捕されていますが、施用罪についても嫌疑が濃厚になれば、所持罪についてAさんを釈放した後、施用罪について再び逮捕される場合もありえます。

早期に弁護士を依頼して、所持罪と施用罪の捜査を並行して行い、身体拘束期間が長引かないように働きかけてもらう必要があります。

~保釈の実現~

薬物事犯は一般的に、起訴される可能性が高いです。
ケースにおいても起訴されてしまう可能性が高いでしょう。
起訴された後は、保釈を請求することができます。

保釈許可決定が出れば、保釈保証金を納付し、外に出ることができます。
もちろん保釈を実現したからといって、事件が終了したわけではありません。
Aさんに有罪判決が言い渡される場合、執行猶予がつかなければ、必ず実刑判決が言い渡されることになります(罰金刑が予定されていない)。

執行猶予付き判決を獲得するためには、①Aさんを監督する身元引受人を用意し、②専門の薬物依存治療プログラムを開始するなどして、再犯防止に努めていることを裁判所にアピールする必要があります。

実刑判決回避のためには、弁護士のサポートが重要です。
早期に弁護士を依頼し、有利な事件解決を目指して行動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族がMDMA所持の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。