覚せい剤の所持・使用事件で保釈を目指す

2020-03-22

今回は、覚せい剤の所持・使用事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

千葉県船橋市に住むAさんは、自宅のデスク引出しに覚せい剤を保管し、ときどきこれを注射するなどして使用していました。
ある朝、自宅の玄関チャイムが鳴ったので、玄関を開けてみると、捜索差押許可状を持った千葉県船橋警察署の警察官が多数おり、自宅の捜索が開始されました。
デスク引出しからは覚せい剤様の物体、シリンジ、注射針などが発見されました。
「覚せい剤様の物体」が覚せい剤であることが確認されたため、Aさんは覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~なぜAさんの自宅に警察がやってきたのか?~

警察は、覚せい剤を始めとする薬物の流通ルートを、既に検挙された被疑者などを通じて把握するよう努めているようです。
Aさんが初犯であれば、Aさんに薬物を売った者やその関係者が既に検挙されており、そこからAさんが被疑者として浮上したのかもしれません。
理由は多様と思われますが、初犯であっても、検挙されてしまうことはありえます。

~今後の捜査はどう進むか?~

今回逮捕された被疑事実である、覚せい剤の「所持」とともに、覚せい剤の「使用」についても追及されることになるでしょう。
捜査中に、警察官から尿検査を求められることになると思われます。
Aさんの尿から覚せい剤の使用を示す反応が検出されれば、Aさんが覚せい剤を使用していることを立証する強力な証拠となります。

問題は、覚せい剤所持の件の捜査と、覚せい剤使用の件の捜査を、どのようなタイミングで行っていくか、ということです。
薬物事件の被疑者として逮捕されると、身体拘束期間が長期化する傾向にあります(流通ルートや、「売人」のネットワークなどの実態解明に時間を要するからです)。
覚せい剤所持罪の捜査と並行して覚せい剤使用罪の捜査を行うのであれば、身体拘束が長期化するリスクは比較的低いといえます。
しかし、覚せい剤所持罪の捜査を終えた直後に、改めて覚せい剤使用の嫌疑で逮捕する場合はどうでしょうか。
逮捕・勾留されると、捜査段階で最長23日間身体拘束を受けますが、この期間が終った後に、改めて別の件で逮捕されてしまうと、その分、身体拘束期間が延びることになります。
改めて逮捕されることがないように、両事件を並行して進行させるよう捜査機関に申し入れる必要があります。

~保釈の実現~

覚せい剤所持、使用事件の捜査段階における身体拘束期間は長引く傾向にありますが、保釈が許される場合が多いことも特徴です。
起訴された後は、保釈を請求することができます。
裁判所が保釈を許す決定をすれば、保釈保証金を納付して、外に出ることができます。

保釈を実現することができれば、身体拘束という負担から解放されます。
さらに、薬物依存の治療プログラムを開始することにより、再犯防止のために努力していることをアピールすることができます。
勾留中においては、このようなプログラムは受けられません。

~執行猶予付き判決の獲得を目指す~

ケースの場合、Aさんが初犯であれば、適切な弁護活動を通じて、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が十分見込めます。
有罪判決を受ける場合は、懲役刑の言渡しを受ける可能性が高いと思われますが、その執行を猶予されれば、刑務所に行かずにすみます。
もちろん、猶予を取り消されてしまうような行為を行うと、刑務所に行かなければならなくなります。
猶予期間中は自省を深め、慎重に行動し、再犯防止に努める必要があるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。