(事例紹介)密売目的で大麻を所持した疑いで男が逮捕①

2023-05-03

 【事例】 

密売目的で大麻を所持したとして、愛知県警薬物銃器対策課は14日までに、大麻取締法違反容疑で、人気音楽グループ「変態紳士クラブ」のメンバーの1人を逮捕した。
同課は認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は13日午前6時20分ごろ、自宅マンションで乾燥大麻26.16グラム営利目的で所持した疑い。 
(4月14日配信のJIJI.COMの記事を引用しています。なお、氏名等は当事務所の判断で伏せています。)

 

今回と次回の2回に分けて、増加傾向にある大麻事犯について解説していきます。

 

 【大麻事犯の検挙人員について】 

薬物事犯全体の検挙人員(=警察が検挙した被疑者の人数)については、近年、横ばい状態が続いています。
もっとも、個々の薬物について見てみると、検挙人員が一番多い覚せい剤事犯については、年々減少しています。
第三次覚せい剤乱用期のピークとされていた平成9年からみると半分以下の検挙人員になっています。
しかし、大麻事犯の検挙人員については、令和4年度に関しては前年を少し下回ったものの平成26年からは増加が続き、令和3年度には過去最高を記録していました。
また、大麻事犯のうち営利犯の検挙人員は、近年増加傾向にあり、平成30年の検挙人員は212人だったのに対し、令和4年には436人と倍以上の人数になっています。
このように、近年では営利目的を含む大麻事犯については増え続けています。

 【大麻事犯の年齢構成】 

令和4年度における大麻事犯の年齢別検挙人員の構成比率を見ると、20~29歳の割合が53.4%をも占めており、20代が大麻事犯の中心層と考えられます。
また、最近若年層の大麻に関するニュースを耳にすることが多くありますが、これはデータの上でも顕著になっています。
平成30年の段階では、薬物事犯の検挙人員の構成比率において20歳未満が占める割合は12%ほどで人数としても429人ほどでした。
しかし、令和4年では、17%に上昇しており、検挙人員の数も、912人と倍以上になっています。

大麻はその性質から、薬物犯罪の入り口と言われ続けてきました。

以前は乾燥大麻を「煙草のように加熱して吸引」したり、食べ物のように「調理し、食べることで経口摂取する」という方法が一般的でした。

しかし、近年はシーシャという水タバコが若い世代に流行したことも、同世代における大麻事犯が増加傾向にある一因とも言えます。

シーシャ(水タバコ)は、水パイプと言う専用の器具を用いて喫煙をする喫煙具の一種です。

専用器具を有するため、シーシャ(水タバコ)を日常的に嗜む愛煙家でない限りは、シーシャバーなどの店舗で楽しむものでしたが、最近では電子タバコのように軽量化かつ小型化した専用器具で、誰でも手軽に楽しめるようになっています。

携帯型のシーシャ(水タバコ)は、本体に「リキッド」と呼ばれる水溶液のカートリッジを接続し吸引します。

このカートリッジにCBD(カンナビジオール/Cannabidiol)と呼ばれる成分が含まれていることがあります。

詳細は割愛しますが、適切な方法で精製、輸出入されているものであれば法律に違反することは多くありませんが、違法成分が含まれていることも少なくありません

合法と聞いていたから吸っていた、違法なものだと知らなかったとしても、大麻を所持し、使用してしまえば、犯罪行為として処罰されるおそれがありますし、近年では若い世代の大麻事犯が増加傾向にある事からも、その取り扱いには細心の注意を払う方が良いと言えます。

(以上の内容は、警視庁組織犯罪対策部の「令和4年における組織犯罪の情勢」を参考にしています。)

 

 【大麻取締法に強い弁護士】 

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