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(事例紹介)THC成分を含むリキッドを所持して逮捕~大麻取締法違反事件

2023-03-26

事例
 兵庫県生田警察署は、大麻草から抽出されたTHCを含む液体である大麻リキッドを所持していたとして、神戸市中央区に住む男を大麻取締法違反の疑いで逮捕しました。
 男は、2週間ほど前に、職務質問を受けた際に警察から大麻リキッドを発見されていました。
 職務質問を受けた日は、任意同行の上警察署で取調べを受け、大麻リキッド任意提出した後に自宅に返されていたようです。
 その後、大麻リキッドは鑑定にかけられ、大麻成分が含まれていたため今回の逮捕に至りました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

 

大麻リキッドとは
 大麻リキッドとは、大麻草から抽出した、THC(テトラヒドロカンナビノール)という成分が含まれる液体のことをいいます。
 THCは、脳に作用し、知覚の変化や学習能力の低下、記憶への悪影響などを引き起こします。
 大麻リキッドは、大麻からTHCを抽出、濃縮した物であり、乾草大麻よりも強い作用を及ぼす物もあります。
また、カートリッジになっており電子タバコで吸引することから、軽い気持ちで始めてしまうこともあるようです。

大麻取締法と大麻リキッドの関係
 大麻取締法では、「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
とされています(1条)
 大麻カートリッジは、液体ですので大麻草には該当しませんが、大麻草からTHCを抽出して製造されていれば、大麻草及びその製品に当たります
 そのため、大麻カートリッジは、大麻取締法の「大麻」として規制を受けます。
 大麻取締法では、「大麻」を所持していた場合の罰則は「5年以下の懲役」となっています。
また、営利の目的で所持していた場合には、刑が加重され「7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び二百万円以下の罰金」となります。

職務質問で大麻リキッドを発見されたら
 職務質問所持品検査により、警察が薬物を発見した場合、予検査を実施し薬物の反応が出れば、そのまま現行犯逮捕に至るケースが多いです。
 しかし、大麻リキッドの場合は検査が難しいことから、現行犯逮捕はされず、科学捜査研究所で成分検査が行われた後に、後日通常逮捕されることが多くあります。
 現行犯逮捕されないからといって、後日逮捕の可能性がある以上、弁護士に相談して、事件の見通しや捜査への対応方法を知ることは、今後捜査を受けるに当たって重要になってきます。
 そのため、大麻リキッドが警察に見つかった場合は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

大麻取締法に強い弁護士
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(事例紹介)たこ焼きと一緒にコカインを販売 麻薬取締府違反

2023-03-15

事例

名古屋市中区のたこ焼き店でコカインを販売目的で所持したとして、店の経営者の男ら2人が逮捕されました。2人はたこ焼きと一緒にコカインを販売していたとみられています。
麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたのは、たこ焼き店経営者の男とその従業員の男です。
警察によりますと、2人は、たこやき店で、コカイン約0.7グラム、末端価格にして1万40000円相当を販売目的で所持した疑いが持たれています。
警察は認否を明らかにしていませんが2人はたこ焼きを手渡す際、コカインの入った封筒を同じ袋に入れて、販売していたとみられ、調べを進めています。
また、売上金は三重県最大規模の風俗店経営グループに流れていたとみられていて、警察は、このグループのリーダーの男を含む4人を逮捕しています。
(2月23日配信のYahoo!ニュースの記事を引用しています。)

コカインとは

コカインは、南米原産であるコカの葉から作られた強力な中毒性を持つ精神刺激薬です。
コカインは、無色の結晶又は白色の結晶性粉末で、無臭で苦みがあります。
乱用する場合には、鼻粘膜からの吸引のほか、経口による方法が用いられます。
コカインは、覚醒剤に比べて、効果の持続時間が30分程度と短いことから、短時間に複数回使用することが多いため依存症に陥りやすいようです。
作用としては、、覚醒剤と同様に神経を興奮させる作用があり、気分が高揚し、眠気や疲労感がなくなったように感じます。
しかし、副作用として幻覚等の精神障害が現れたり、大量に摂取すると全身痙攣を起こす他、死に至る可能性もあります。

コカインについて日本での規制

コカインは、麻薬及び向精神薬取締法上の「麻薬」として、規制されています。
規制される行為としては、輸出、輸入、製造、譲渡、譲受、所持、施用です。
法定刑は、営利目的の有無で変わります。

営利目的がない場合
輸出、輸入、製造については、1年以上10年以下の懲役です。
譲渡、譲受、所持、施用については、7年以下の懲役です

営利目的がある場合
輸出、輸入、製造については、1年以上の懲役で、情状により500万円以下の罰金が併科されます。
譲渡、譲受、所持、施用については、1年以上の懲役で、情状により300万円以下の罰金を併科されます。

コカインの所持等が発覚し警察から、捜査されたり逮捕された場合、所持量や使用頻度、営利目的の有無などが考慮されますが、初犯であっても、起訴され、刑事裁判で実刑になる可能性があります。
そのため、早い段階で弁護士に依頼し、今後の捜査や裁判での対応方法について適切なアドバイスを受けることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物犯罪に強い刑事事件専門の弁護士が多く在籍しております。
コカインを含む薬物犯罪で警察から取調べを受けている、又は、ご家族が薬物犯罪で警察から逮捕されてしまった場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお電話下さい(フリーダイヤル0120-631-881)。

(事例紹介)大麻の営利目的所持事件で実刑判決となった事例

2023-01-31

(事例紹介)大麻の営利目的所持事件で実刑判決となった事例

~事例~

大麻を営利目的で所持したとして、大麻取締法違反などの罪に問われた前橋市出身の住所不定、無職の男(21)の判決公判が27日、前橋地裁で開かれ、柴田裕美裁判官は「顧客への売却や発送を担うなど、グループの中で重要な役割を果たした」として懲役3年6月、罰金100万円、追徴金177万1500円(求刑・懲役6年、罰金100万円、追徴金177万1500円)の実刑判決を言い渡した。
判決によると、仲間と共謀して2021年7~11月、6回にわたり、大麻など約390グラムを3人に譲り渡し、計約177万円を受け取るなどした。
(※2022年12月28日17:00上毛新聞配信記事より引用)

~営利目的の違法薬物所持事件~

今回の事例では、被告人が、大麻営利目的所持による大麻取締法違反の容疑で刑事裁判となり、懲役3年6月、罰金100万円、追徴金177万1,500円実刑判決を言い渡されたと報道されています。
大麻営利目的で所持した」という内容が報道されていますが、大麻取締法だけでなく、こうした違法薬物を取り締まっている法律では、違法薬物の所持について、所持の目的がどういったものかによって異なる刑罰を定めていることが多いです。
そのため、違法薬物所持事件では、「何を目的として違法薬物を所持したのか」ということが重要視される要素の1つとなり、こうした報道でも取り上げられているのでしょう。

例えば、今回の報道で出てきた大麻取締法を確認してみましょう。
大麻取締法では、以下の条文で大麻の所持等について処罰を規定しています。

大麻取締法第24条の2
第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻取締法第24条の2第1項では単に大麻の所持等についての処罰を定めていますが、大麻取締法第24条の2第2項では、第1項の罪について「営利の目的」をもって行った場合の処罰を定めています。
この「営利の目的」とは、文字通り、利益を得るために、ということを指します。
例えば、自分で大麻を使用するために大麻を所持していたのであれば大麻取締法第24条の2第1項に該当するということになりますし、大麻を他人に売って利益を得るために所持していたということであれば大麻取締法第24条第2項に該当するということになります。
大麻取締法がそうであるように、違法薬物所持行為が営利目的で行われている方が重く処罰される規定となっていることが多いため、違法薬物所持事件では、「どういった目的で違法薬物を所持していたのか」が重要になってくるのです。

「どういった目的であったか」ということは、あくまで人の心の中の話であるため、「自分で使うために持っていた」と話せばよいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は容疑者の話だけで目的がどういったものであったか判断されるというわけではありません。
具体的には、その人の所持していた大麻などの違法薬物の量であったり、その人が売買などのやり取りをしていた事実があるかどうか、その内容はどういったものかということであったり、様々な客観的な事情も考慮されたうえで、「営利の目的」での所持かどうかが判断されます。

大麻所持事件などの違法薬物所持事件では、「執行猶予がつく」というイメージを持たれている方もいらっしゃいますが、事件の内容によっては当然実刑判決となることもあります。
執行猶予獲得を目指したい刑罰を少しでも減軽したいということであれば、早期から事件の内容や見通しを把握し、準備を整えた上で刑事裁判に対応するということが望ましいでしょう。
そのためにも、まずは弁護士に相談し、話を聞いてみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談や初回接見サービス(有料)によって、在宅捜査を受けている方にも逮捕・勾留されている方にも、迅速に弁護士による相談を受けていただけます。
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(事例紹介)LSD輸入事件 麻薬取締法違反で逮捕された事例

2023-01-24

(事例紹介)LSD輸入事件 麻薬取締法違反で逮捕された事例

~事例~

滋賀県警草津署は24日、麻薬取締法違反などの疑いで、ベルギー国籍の滋賀県草津市の大学生の男(22)を再逮捕した。同署によると、黙秘しているという。
再逮捕容疑は、氏名不詳者らと共謀して2月4日ごろ、オランダの郵便局から合成麻薬LSDの入った封筒1通を差し出し、同15日に輸入した疑い。同容疑者はMDMAを輸入したとして今月4日に逮捕されていた。
(※2021年11月24日19:17京都新聞配信記事より引用)

~LSDと麻薬取締法違反~

今回取り上げた事例では、容疑者の男性がLSDを輸入したという麻薬取締法違反などの容疑で逮捕されています。
LSDとは、正式には「リゼルギン酸ジエチルアミド」という、強い幻覚作用がある幻覚剤の一種です。
LSDは、その溶液を紙に染み込ませたり、錠剤やカプセルとしたりして使用されることが多く、その見た目から違法薬物であるというハードルが下がってしまうこともあるようです。

このLSDは、日本では麻薬取締法によって麻薬と指定されています。

麻薬取締法第2条
この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
第1号 麻薬 別表第一に掲げる物をいう。

麻薬取締法別表第一
第75号 前各号に掲げる物と同種の濫用のおそれがあり、かつ、同種の有害作用がある物であつて、政令で定めるもの

麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令第1条
麻薬及び向精神薬取締法(以下「法」という。)別表第一第75号の規定に基づき、次に掲げる物を麻薬に指定する。
第150号 リゼルギン酸ジエチルアミド(別名リゼルギド)及びその塩類

麻薬と指定されていることから、LSDの輸入は、麻薬取締法によって規制されることとなります。

麻薬取締法第65条
第1項 次の各号の一に該当する者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
第1号 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第69条第1号から第3号までに該当する者を除く。)
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

事例の報道内容では、容疑者として逮捕された男性が、郵便を利用してLSDを輸入したとされています。
報道からは輸入の目的がどう考えられているのかは分かりませんが、もしも営利目的の輸入であると疑われている場合には、有罪となった際により重い刑罰が下されることが予想されます。
そもそもLSDを輸入したという部分を否認するのか認めるのかといった部分ももちろん重要ですが、輸入したということ自体以外にも、どういった目的だったのかという部分も刑罰を決めるうえで重要な部分ですから、捜査段階から適切に自分の認識を主張していくことが大切です。
そのためにも、取調べを受けるという段階から弁護士のサポートを受けることが望ましいといえるでしょう。

LSDなどに関わる麻薬取締法違反事件についても、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービス(有料)や初回無料法律相談はご利用いただけます。
特に薬物事件では、逮捕・勾留されて捜査されるケースが少なくありませんから、逮捕されたご本人やそのご家族が突然のことに困惑してしまうことも多いです。
ひとまず弁護士の話を聞いてみることによってその後の手続に対する不安の軽減につながるケースも多いです。
まずはお気軽にお問い合わせください。

(事例紹介)覚醒剤密売による麻薬特例法違反で実刑判決に

2023-01-17

(事例紹介)覚醒剤密売による麻薬特例法違反で実刑判決に

~事例~

(略)被告(47)は、平成30年8月からのおよそ2年間に、全国各地で何度も覚醒剤を密売したほか、自宅で大麻やコカインなどを所持していたとして、麻薬特例法違反などの罪に問われました。
これまでの裁判で、検察は懲役10年と罰金300万円を求刑したのに対し、弁護側は、被告は末端の密売人に過ぎないなどとして、罪を軽くするよう求めていました。
21日の判決で岡山地方裁判所の倉成章裁判長は「2400万円以上売り上げ、ツイッターを使い広く客を集めている。密売の規模はそれなりに大きく、多量の覚醒剤などを社会に拡散させた点は悪質だ」と指摘しました。
そのうえで「自分で使う覚醒剤の代金を浮かせようなどと考えて密売をし、大麻などを所持していたことを考えると、違法薬物との結びつきの強さは顕著だ。再犯のおそれは否定できない」などと述べて、懲役9年と罰金300万円、それに2400万円余りの追徴金などの判決を言い渡しました。
(※2022年10月21日18:59NHK NEWS WEB配信記事より引用)

~覚醒剤密売行為と麻薬特例法違反~

今回取り上げた事例は、被告人が覚醒剤の密売や大麻・コカインの所持などの行為による、麻薬特例法違反などの罪に問われ、懲役9年と罰金300万円、2,400万円余りの追徴金などの実刑判決を受けたという内容の報道です。
被告人は全国各地で何度も覚醒剤を密売したと報道されていますが、問われている犯罪名が覚醒剤取締法違反ではなく、麻薬特例法違反という犯罪名が挙げられていることに疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、覚醒剤の密売行為麻薬特例法違反の関係を確認していきます。

まず、麻薬特例法とは、正式名称を「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」という法律で、麻薬新条約と呼ばれる条約の締結に伴ってできた法律です。
麻薬特例法では、薬物犯罪による収益等を剥奪すること等によって規制薬物に係る不正行為の助長を防止したり、薬物犯罪に関する特例を定めたりしています。

今回取り上げた事例で麻薬特例法と関わってくるのは、被告人が何度も覚醒剤の密売を行っていたという部分であると考えられます。
というのも、麻薬特例法には以下のような条文があります。

麻薬特例法第5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第4号 覚醒剤取締法第41条又は第41条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。

麻薬特例法という名前だけ聞くと、麻薬しか対象となっていないように思えますが、このようにして覚醒剤もその規制対象となっています。
こうした部分に、麻薬特例法違反という犯罪の名前と内容のギャップがあるかもしれません。
この条文によると、覚醒剤取締法第41条もしくは第41条の2の所持以外の部分に当たる犯罪を「業として」行った場合、麻薬特例法違反となるとされています。
覚醒剤取締法第41条・第41条の2に当たる犯罪は、以下のものです。

覚醒剤取締法第41条
第1項 覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

覚醒剤取締法第41条の2
第1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

すなわち、覚醒剤の輸出入や譲渡し・譲受けを「業として」行うと、特例に当てはまり、覚醒剤取締法違反ではなく麻薬特例法違反として処罰されることになるのです。
「業として」行われたかどうかは、その行為が反復継続して行われていたのかどうか、営利性はあったのかどうかなどの事情によって判断されます。
例えば、今回取り上げた報道では、被告人は何度も覚醒剤の密売をしたとされており、高額の売り上げ金を売上げていたことや、SNSで集客をしていたことなどが判決で触れられていました。
何度も覚醒剤の密売をしたということであれば、反復継続して覚醒剤を譲り渡していたということになるでしょうし、高額の売上金を出していたことや集客を行っていたことからは営利性も認められそうです。
こういったことから、被告人は「業として」覚醒剤を売っていたという判断がなされ、麻薬特例法違反で有罪であるとされたのでしょう。

先ほど挙げた条文の通り、麻薬特例法の刑罰は「無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金」と定められています。
無期懲役が定められていたり、刑罰の下限が5年と設定されていたり、1,000万円以下の罰金が併科される可能性があったりと、非常に重い刑罰であることが分かります。
今回取り上げた事例でも、被告人が懲役9年と罰金300万円、2,400万円余りの追徴金などといった非常に重い刑罰を科されていることからもお分かりいただけるでしょう。
重い刑罰が予想されるとなれば、できるだけ刑罰を軽減したいと考えられる方も少なくないでしょう。
そのためには、刑事裁判でどういった証拠を出しどのような主張をしていくのかなど、刑事裁判を見据えて早い段階から準備を行っていく必要があります。
まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談初回接見サービス(有料)を通じて、「ひとまず弁護士に相談してみたい」「弁護士の見解を聞いてみたい」というご要望におこたえしています。
ご自分やご家族が当事者となっている刑事事件がどういった見通しになるのか、どのような弁護活動が必要なのか、把握しておくだけでも不安の軽減につながります。
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(事例紹介)DMT輸入事件で逮捕された事例

2023-01-10

(事例紹介)DMT輸入事件で逮捕された事例

~事例~

富山県警高岡署と県警組織犯罪対策課、大阪税関伏木税関支署は、強い幻覚作用がある麻薬成分DMTを輸入したとして麻薬及び向精神薬取締法違反(使用目的輸入)の疑いで、(略)容疑者(27)=大麻取締法違反の罪で起訴済み=を再逮捕した。富山県警のDMTに絡む摘発は初めて。
再逮捕容疑では、今年四月、米国から自分で使う目的で、DMTを含む液体〇・五九グラムが入ったカートリッジ一個を輸入したとされる。「自分で使用するために輸入したことに間違いない」と容疑を認めている。
税関職員による輸入郵便物捜査で発見され、伏木税関支署と県警が合同で捜査を進めていた。
(略)
容疑者はカートリッジの他、吸引具も別の郵便物で輸入し、押収された。同支署は二十七日に関税法違反容疑で富山地方検察庁高岡支部に告発した。
(※2020年7月28日5:00中日新聞配信記事より引用)

~DMTとは~

今回取り上げた事例では、富山県警と大阪税関が、DMTの輸入による麻薬取締法違反の容疑で容疑者を逮捕したという内容が報道されています。
そもそも、このDMTというものに対して、聞き馴染みがないという方も多いのではないでしょうか。

DMTは、「ジメチルトリプタミン」という成分のことを指しており、幻覚作用があるとされています。
このDMTは、麻薬取締法によって「麻薬」として指定されています(麻薬取締法第2条第1項第1号、別表第1第75号、麻薬及び向精神薬を指定する政令1(2)④)。
ですから、DMTを含むものを所持したり輸入したりすることは、麻薬取締法に違反する犯罪行為となるのです。

麻薬取締法第65条
第1項 次の各号の一に該当する者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
第1号 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第69条第1号から第3号までに該当する者を除く。)
(略)
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

麻薬取締法第66条
第1項 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、7年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

麻薬取締法違反などの薬物事件では、DMTのような聞き馴染みのない薬物による犯罪であることもあります。
どういった容疑をかけられているのか、容疑を犯罪はどの程度の重さの刑罰でありどういった手続が予想されるのかなど、違法薬物の名前や犯罪名からはなかなか想像しづらい部分もあると思いますので、早めに弁護士に相談してみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕された方にも在宅捜査を受けている方にも迅速にご相談いただけるよう、0120-631-881でいつでもサービスのご案内を行っています。
ご状況に合わせたサービスをご案内いたしますので、まずはお気軽にお電話ください。

(事例紹介)MDMAの密輸入 税関に告発され逮捕された事例

2023-01-03

(事例紹介)MDMAの密輸入 税関に告発され逮捕された事例

~事例~

名古屋税関清水税関支署は21日、合成麻薬MDMAの錠剤を大量に密輸したとして麻薬取締法違反の疑いで静岡南署などに逮捕された(中略)容疑者(25)=ベトナム国籍=を関税法違反容疑で静岡地検に告発した。
同支署によると、密輸された錠剤は4007錠。ドイツから成田空港に空輸され、横浜税関川崎外郵出張所の職員が1月11日にエックス線や目視による検査で発見した。サプリメントのボトル2個に各千錠ずつ、コーヒー豆の袋に約2千錠が詰められ、段ボール箱に収められていたという。末端価格は計約2千万円に上るとされる。
同支署によると、段ボール箱の送り先が容疑者の自宅になっていたという。同支署が県警に通告。静岡南署と県警薬物銃器対策課が捜査を進め、容疑者ら2人を麻薬取締法違反の疑いで逮捕した。
(後略)
(※2022年2月22日あなたの静岡新聞配信記事より引用)

~違法薬物の密輸入と税関~

今回の事例では、名古屋税関清水税関支署が、MDMAの密輸をした関税法違反の容疑で静岡地検に容疑者を告発したという旨が報道されています。
税関薬物事件告発するというケースは耳慣れないかもしれませんが、MDMAなどの違法薬物の密輸入事件では、税関違法薬物を発見したことから違法薬物密輸入行為が発覚し、税関が捜査機関に対して告発を行うというケースも珍しくありません。
今回は、税関MDMAなど違法薬物密輸入を告発して刑事事件になるというケースについて注目していきます。

まず、違法薬物密輸入は、単にその薬物の規制を定めている法律(今回のMDMAであれば麻薬取締法)に違反するだけでなく、関税法にも違反することになります。

関税法第109条
第1項 第69条の11第1項第1号から第6号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した者は、10年以下の懲役若しくは3,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第2項 第69条の11第1項第7号から第9号まで及び第10号に掲げる貨物を輸入した者は、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

関税法の「輸入してはならない貨物」としては、以下のように、麻薬や向精神薬、大麻や覚醒剤などの違法薬物が含まれています。

関税法第69条の11第1項
次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
第1号 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤(覚醒剤取締法にいう覚醒剤原料を含む。)並びにあへん吸煙具。ただし、政府が輸入するもの及び他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。

こうしたことから、MDMAを密輸入することは、麻薬取締法違反だけでなく、関税法違反にもなるのです。

税関職員は、警察官や検察官などと異なり、捜査権をもつ人たちではありません。
しかし、関税法では、以下のようにして犯則事件の調査・処分について定めています。

関税法第119条第1項
税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、犯則嫌疑者若しくは参考人(以下この項及び第121条第1項(臨検、捜索又は差押え等)において「犯則嫌疑者等」という。)に対して出頭を求め、犯則嫌疑者等に対して質問し、犯則嫌疑者等が所持し、若しくは置き去つた物件を検査し、又は犯則嫌疑者等が任意に提出し、若しくは置き去つた物件を領置することができる。

犯則事件とは、租税犯に関する事件のことを指し、ここでは主に関税法違反事件のことを指します。
関税法第119条以降では、こうした関税法違反事件の際の税関職員の権限について定めており、税関職員は、関税法違反事件については、関税法違反の容疑者に対して出頭を求めたり、令状をもって捜索や差押え(関税法第121条)をしたりできるという、刑事事件と同じような捜査権をもつ内容となっています。
そして、その調査の結果、犯則がある=関税法違反であると判断される場合には、税関は検察官に告発を行わなければならないとも定められています(関税法第144条)。

つまり、税関職員は、関税法違反に関してのみ、一般の刑事事件で行われる捜査に類似したことができ、さらにその結果関税法違反であると判断された場合には、検察官への告発を行うということになっているのです。
ですから、今回の事例でも、麻薬取締法違反の容疑で警察署などに逮捕された容疑者について、今度は税関関税法違反の容疑で検察庁に告発をするという流れになっていたのです。

MDMAなどの違法薬物密輸入事件では、薬物法に違反するものだけでなく、関税法違反も関係してくることから、なかなか事件の流れ全体や見通しが分かりづらいところがあるでしょう。
だからこそ、刑事事件化した段階で一度弁護士の話を聞き、事件の流れや見通しなどを把握したうえで刑事手続に臨まれることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件化した段階から公判活動まで、刑事事件を多く取り扱っている弁護士が一貫してサポートを行っています。
違法薬物密輸入税関告発されてしまった、家族が麻薬取締法違反の容疑で逮捕されてしまったという状況でお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

(事例紹介)他人の家に覚醒剤・MDMAを置いて所持罪に

2022-12-27

(事例紹介)他人の家に覚醒剤・MDMAを置いて所持罪に

~事例~

元交際女性への腹いせに覚醒剤などを女性が住むアパートに置いたとして、福岡県警粕屋署は5日、(略)男(42)を覚醒剤取締法違反(所持)と麻薬取締法違反(同)の両容疑で逮捕した。

発表によると、男は昨年7月22日頃、志免町の女性(20歳代)が住むアパートの敷地内で、覚醒剤約0・4グラム(末端価格約2万4000円)と合成麻薬「MDMA」約0・07グラム(同約5000円)を所持した疑い。「別れたことへの腹いせで置いた」と容疑を認めている。
(後略)
(※2022年10月6日17:51読売新聞オンライン配信記事より引用)

~他人の家に違法薬物を置いて所持罪で逮捕~

今回取り上げた事例では、男性が元交際相手の女性のアパートに覚醒剤MDMAを置き、覚醒剤MDMAを所持したという覚醒剤取締法違反麻薬取締法違反の容疑で逮捕された旨が報道されています。
多くの方がご存知の通り、覚醒剤MDMAを所持することは違法であり、それぞれ覚醒剤取締法違反麻薬取締法違反という犯罪になります。

覚醒剤取締法第41条の2第1項
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。

麻薬取締法第66条第1項
ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、7年以下の懲役に処する。

報道では、アパートに居住していた女性が覚醒剤MDMAを所持していたように装おうとしたとされていますが、たとえその通りに女性の元に覚醒剤MDMAを置いていったとしても、女性自身が覚醒剤MDMAの存在を知らずにいたのであれば、女性には覚醒剤MDMAの所持の故意がないということになり、女性に覚醒剤取締法違反麻薬取締法違反の罪が成立することはありません。
反対に、男性が報道の通りの行為をしていた場合、当然男性は覚醒剤MDMAを違法薬物であると認識しながら、女性のアパートに置くまでの間所持していたことになりますから、覚醒剤取締法違反麻薬取締法違反といった犯罪が成立することになります。

覚醒剤MDMAの所持事件では、自分が違法薬物を使用するために所持していたというケースも多いですが、今回の事例のような自己使用以外の目的による所持事件も存在します。
イメージと異なる態様・目的の刑事事件となると、当事者の周囲の方もどのように対応すべきなのか分からずに大きな不安を抱えてしまうということも予想されます。
薬物所持事件では逮捕・勾留による身体拘束を受けることも多いため、そうした対応も含めて弁護士に早めに相談されることをおすすめします。

0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士によるサービスのお申込みをいつでも受け付けています。
逮捕・勾留された方についてもスムーズに弁護活動が開始できるよう、スタッフがご案内いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

【事例紹介】覚醒剤の使用で自首し、逮捕された事例

2022-12-20

【事例紹介】覚醒剤の使用で自首し、逮捕された事例

覚醒剤を使用したと110番し、その後下京警察署緊急逮捕された事件を基に、自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都府警下京署は14日までに、覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、(中略)男(30)=京都市下京区=を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)覚醒剤を使用した疑い。「覚醒剤を体に打ちました」と容疑を認めているという。
下京署によると、3日に容疑者が自宅から「覚醒剤を使用したので自首したい」と110番し、その後、同署を訪れたため緊急逮捕した。容疑者の尿からは覚醒剤の陽性反応が確認され、注射器も所持していたという。
(12月14日 京都新聞 「覚醒剤使用の疑いで京都市職員の30歳男を逮捕 「自首したい」と110番通報」より引用)

覚醒剤使用の禁止

覚醒罪取締法第19条では、使用の許可を得ていない者が不正に覚醒剤を使用することを禁止しています。

今回の事例では、容疑者の尿から覚醒剤の陽性反応が確認され、本人も覚醒剤の使用を認めているようです。
覚醒剤の不正使用は禁止されていますので、容疑者が覚醒剤取締法違反で有罪になった場合には、10年以下の懲役が科されます。(覚醒剤取締法第41条の3)

自首

刑法第42条1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を軽減することができる。

犯罪行為を行った際に、警察などに発覚する前に自首すると、罪が軽くなる場合があります。
注意点としては、刑法ではあくまで自首が成立した場合に「その刑を軽減することが『できる』」としているため、自首をしたからといって必ず刑罰が軽くなると決まっているわけではないという点が挙げられます。
こうした自首のメリット・デメリットをきちんと把握したうえで、自首をするかどうか決めることがおすすめです。

今回の事例では、容疑者は110番して自首したい旨を伝え、下京警察署を訪れています。
容疑者が110番するまでに容疑者が覚醒剤を使用していたことが発覚していなかったのであれば自首は認められますので、有罪になった際に科される量刑が軽くなる可能性があります。

また、今回の事例では、自首した容疑者がそのまま逮捕されていますが、自首によって逮捕や勾留といった身体拘束のリスクを軽減できる場合もあります。
自首の際に弁護士が同行し、警察官に対して逮捕しないように交渉することも可能ですので、自首を検討している場合には一度弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
自首を検討されている方、覚醒剤取締法違反でお困りの方、ご家族が逮捕された方はぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)SNSで覚醒剤販売を呼びかけ麻薬特例法違反に

2022-12-13

(事例紹介)SNSで覚醒剤販売を呼びかけ麻薬特例法違反に

~事例~

ツイッターで覚醒剤の取引を呼びかけたとして、京都府警組対3課と中京署は1日までに、麻薬特例法違反(あおり、唆し)の疑いで、栗東市の無職の男(41)を逮捕した。

逮捕容疑は昨年4月5日、ツイッターに覚醒剤を意味する隠語「氷」の絵文字を使って「京都、滋賀から配達員がすぐ対応します」などと書き込み、覚醒剤の販売を広く呼びかけた疑い。「身に覚えがない」と容疑を否認しているという。
(※2022年6月1日15:17京都新聞配信記事より引用)

~SNSでの覚醒剤販売呼びかけ~

今回の事例では、男性が麻薬特例法違反の容疑で逮捕されたと報道されています。
男性の逮捕容疑は、覚醒剤の隠語を使用してSNSで覚醒剤の販売を呼びかけたというものです。

ご存知の方も多いように、覚醒剤は所持すること自体が違法であり、その輸出入や所持、授受、使用などの行為は覚醒剤取締法によって禁止されています。

覚醒剤取締法第41条
第1項 覚醒剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

覚醒剤取締法第41条の2
第1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

覚醒剤取締法第41条の3第1項
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1項 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者

覚醒剤に関連してこれらの行為が禁止されていることや、それが覚醒剤取締法という法律で禁止されていることは、先ほど触れたように、多くの方がご存知のことでしょう。

しかし、今回の事例では、逮捕された男性にかけられた容疑の内容は、「SNSで覚醒剤の販売を呼びかける」というものです。
覚醒剤を実際に販売したわけではなく、販売を広く呼びかけたということも、犯罪になるのでしょうか。

今回の事例で男性が違反した容疑をかけられている麻薬特例法(正式名称:国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律)という法律では、以下のような条文があります。

麻薬特例法第9条
薬物犯罪(前条及びこの条の罪を除く。)、第6条の罪若しくは第7条の罪を実行すること又は規制薬物を濫用することを、公然、あおり、又は唆した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

麻薬特例法では、「薬物犯罪」の中に、覚醒剤取締法第41条、第41条の2を含めています(麻薬特例法第2条第2項第5号)。
つまり、覚醒剤の販売を含む、覚醒剤の譲渡し・譲受けを公然、あおり、唆した場合には、それだけで麻薬特例法に違反することになります。

今回の事例では、逮捕された男性がSNSで隠語を用いて覚醒剤の販売を呼びかけた疑いをかけられています。
利用されたSNSは誰でもアクセスできるものであるため、本当に覚醒剤の販売を呼びかけた内容を投稿したのであれば、「公然、あおり、又は唆した」と判断されると考えられます。

覚醒剤などの違法薬物に関わる刑事事件というと、実際に違法薬物を使用したケースや、違法薬物を所持したケースが思い浮かびやすいですが、今回の事例のように、販売を呼びかけたという容疑で逮捕されることもあります。
薬物事件に限らず、刑事事件では、イメージとは異なる行為と犯罪が結びつくこともありますので、早い段階で弁護士のアドバイスを聞くことがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、麻薬特例法違反事件などの薬物事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
フリーダイヤル0120-631-881では、スタッフがお問い合わせを受け付けていますので、お気軽にお電話ください。

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